かんばん方式

「かんばん方式」についてのメモ。かんばん方式とは…
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  • 「かんばん」は部品名・数量・納入日時など記載した作業指図票

かんばん方式 †

  • トヨタ自動車が開発した、ムリ・ムダ・ムラを排除するためジャストインタイムに生産することをめざして確立した生産管理方式。在庫圧縮による経営効率化。「必要なときに、必要な量だけつくる」ことを基本理念とし、在庫ゼロを理想状態とする。
  • cf.カイゼン

かんばん方式/カンバン・システム †

青木昌彦『日本企業の組織と情報』(東洋経済新報社)1989年

 日本企業は,西洋企業に類似した法的全社構造と形式的内部組織をもつ.しかし,オペレーショナルなレベルでの適応的意思決定構造は,西洋システムの様式化されたモデルとは若干異なっている。この点を,よく知られたカンバン・システムの基本的特徴を叙述することにより例示しよう。カンバン・システムは、生産プロセスを変化する市場条件に適応するため,日本の自動車製造企業などにより用いられている企業内情報構造である.自動車の生産過程は次のような意味で,河のような構造により視覚化されうるであろう.最終的な組立て構造は,ちょうどそこから最終生産物の流れが,市場の大海へと流れ注ぐ河口に類似している.河口をさかのばっていくと,やがて河(生産過程)はたくさんの支流(部品生産過程)にわかれ、それぞれはさらにより小さな小川等が流れ注ぐことにより形成されているであろう。いま,河流のそれぞれの分岐点に,地方水流管理所(職場)が設営されているとしよう.河口における水流(最終生産量)をコントロールする方法のひとつ――集中的方法――は、最終水流の望まれる水準に応じて,各地方の管理所に当該分岐点における流量にかんする集中化した指命を発する中央管理所を設けることである.一方,各地方管理所は.予想されなかった局所的な緊急事態が生じたら,貯水池(在庫)の水位レベルを調整することにより中央指令を実行するとしよう.

 これにたいして,カンバン・システムの本質は,水の流量のコントロールに必要なすベてのコミュニケーションが河口における地方管理所から出発し,水の流れと逆に,上流へと水流のシステムに治って流れるということである.それはより具体的には,次のように運営される.暫時的な生産計画がある親潮的な間隔で、たとえば10日に1度といった割合で,ヒエラルキー的なシステムと同じように中央生産企画室により作成される。しかし,この生産スケジュールは単に各職場にたいし,当期間の生産についての一般的なガイドラインを提供するにすぎない.セールス部門により実際にモニターされるさまざまな品種の個別需要にかんする情報が,より短いインターバルで生産スケジュールを微調整するために用いられる.たとえば,現実に生じた市場需要が,それにたいして生産の行われる数日前に,最終的な組立て工場に伝達される.この需要に基づく生産を実施するにあたり,最終組立てラインは,直接上流に位置する各職場にビニールの封筒に入れられたカンバンといわれる注文書を送って,エンジン,トランスミッション,車体といった個々のタイプの部品あるいは半製品の供給されるべき量と配達時間とを指定する.カンバンは普通,それぞれの上流の職場に1日数回の割合で送達され,現実の配達とともに組立て工場に還流する.かくしてカンバンは.注文書と配達書の二重の役割を担うのである.最終組立てエ楊からカンバンを受け取った職場は.それ自身のカンバンを同じような間隔で、それ自身の直接上流に位記する職場に送達する.こうしたカンバンの循環的フローにより媒介された.直接に隣接した職場間の双務的な注文・配達の鎖は.最終組立て製造業者と長期の関係を結ぶ外部の部品供給企業にまで及ぶ.

 このカンバン・システムは,どちらかというと粗野な情報システムのようにみえるが,無数の部品の集積が最終生産物の生産にとって必要であるところでは、在庫量を減少させるうえできわめて効果的であることがわかっている.上流に位置する職場は,カンバンにより特定化された下洗の職場の需要に基づき中間生産物の産出量を調整すべきであり,産出量の極大化を目的としたような機械の効率的便用に専念すべきではないとされる.実際にカンバン・システムは,このような特質を表現するために「ゼロ在庫法」であるとか,「just-in-time」法とよばれることがある.垂直的なヒエラルキー・コントロールと対称的に,カンバン・システムの基本的な特徴は半水平的な作業のコーディネーションと概念化することができよう.ここで「半」というのは,予備的な中央生産計画が水平的な情報フローにたいする一般的な枠組みとして先行するからである.






2008-06-21 (土) 05:19:29 (4685d)