アジア危機

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アジア危機 †

アジア通貨危機

Asian currency crisis アジア危機/アジア金融危機

アジア通貨危機 †

 1994年のメキシコ通貨危機以降、タイ・バーツは,数度にわたって通貨投機の標的となった。タイ政府はパーツ防衝に努めたが抗し切れず,97年7月ついにそれまで採用してきた実質的な米ドルリンク制を放棄して変動相場制へ移行し,パーツを切り下げた。
 その衝撃は瞬く間に周辺諸国へ波及し,東南アジアや東アジアの多くの通貨も大幅に減価した。この通貨急落は様々な負の影響をアジア地域にもたらした。

 それまでに投下されていた外貨資金の大量かつ急激な流出,自国通貨ベースでの対外債務の急増と企業債務の増加,銀行資産内容の悪化(不良債権の増加)と信用収縮などによって,各国経済は深刻な停滞とファンダメンタルズの悪化に直面,タイ,インドネシア,韓国の3カ国がIMFの支援を求めることとなった。
 このアジア諸国を襲った通貨危機については,アジア固有の問題が原因との捉え方が当初は一般的であったが,1998年にロシア,ブラジルが同様の通貨危機に見舞われるに至って,むしろ既存の国際通貨体制が内包する矛盾の顕在化との見方も現れ,国際通貨体制の再構築,国際緊急融資制度の見直し,短期資本移動規制ヘッジファンド規制,民間金融機関関与などの必要性が広く認識されるようになっている。
 また,IMFが,当初これら国々の個別事情を十分に考慮せず厳しい緊縮財政金融政策を求めたことがかえって危機を深刻化させたとの批判も強い。

関連 †

  • 1997年7月2日、タイ中央銀行が管理フロート制を導入、事実上バーツを切り下げたことから、タイの通貨不安がいっきに表面化。時間差をもって韓国、インドネシア、他の東南アジア諸国にも波及し、政治危機に拡大、世界経済に深刻な影響を及ぼしたもの。「アジア経済成長神話の崩壊」「日本モデルの敗北」とする議論も。東南アジア諸国の為替・通貨政策は、「通貨バスケット方式」(いくつかの貿易相手国通貨の加重平均と自国通貨を連動させる方式)を採用し、事実上の対ドル固定相場、「ドル連動」制だったことが要因。
    IMFは巨額資金融資と引替えに、経常収支赤字や財政支出の削減、金融機関の監視強化などの構造改善策を強要し、社会的弱者は犠牲を強いられ、国際的な富者と貧者の対立の構図を鮮明にした。
  • Asian Currency Crisis Support Facility; ACCSF
     インドネシアや韓国,タイなど通貨危機に見舞われた国々の経済回復に欠かせない資金の調達を助けるため,いわゆる*新宮沢構想の一環として日本が拠出した30億6000万ドルの資金。*アジア開発銀行(*ADB)が,この資金で設けた特別基金を通じ,2002年3月まで支援する。具体的には,ADBの融資事業に関連して各国が負う*債務の利払い補てん,新規の資金調達に対する保証,技術援助などに充て,各国の構造改革を重点的に支援する。
  • 新宮沢構想 〔経済新語辞典〕
    new Miyazawa plan
     宮沢喜一蔵相が1998年10月に提唱したアジア諸国に対する総額300億ドルの金融支援。アジア各国政府が債券発行や借り入れで資金調達する場合の日本輸出入銀行の保証,利子補給のための基金創設,輸銀融資や円借款などがその内容で,韓国,インドネシア,タイ,マレーシア,フィリピンの5カ国が対象。





2007-03-10 (土) 21:29:58 (3853d)