アンソニー・ギデンズ

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第三の道

アンソニー・ギデンズ Anthony Giddens †

1938年-

『第三の道―効率と公正の新たな同盟』(佐和隆光・訳)日本経済新聞社,1999年 †

第1章 社会主義は過去の遺物か

第2章 五つのジレンマ

第3章 国家と市民社会

第4章 社会投資国家

第5章 グローバル時代に向けて

 社会学の世界的権威でもあり英国ブレア政権のブレーンであるアンソニー・ギデンズが、古典的社会民主主義と新自由主義を対比させながら、社会民主主義の刷新について論じているのが本書である。

 「第三の道の政治か目指すところを一言で要約すれば、グローバリゼーション、個人生活の変貌、自然と人間との関わり等々、私たちが直面する大きな変化の中で、市民一人ひとりが自ら道を切りひらいていく試みを支援することに他ならない」と基本は至極シンプルで、方向性は「社会民主主義をめぐる論争が本格的な脱国境化を遂げること」。だが、そのプロセスである「第三の道へのプログラム」各論は難解だ。プログラムとは、

  1. ラジカルな中道
  2. 新しい民主主義国家(敵不在の国家)
  3. アクティブな市民社会
  4. 民主的家族
  5. 新しい混合経済
  6. 包含としての平等
  7. ポジィティブ・ウェルフェア
  8. 社会投資国家
  9. コスモポリタン国家
  10. コスモポリタン民主主義

の10項目。
 「民主主義はあまねく普及し、民主主義国家同士が交戦することはないとの仮説が信憑性を帯びてきた」(232ページ)との言葉に代表されるように、ギデンズ先生は全体に楽観的で民主主義過信ぶりが目につく。たとえば “民主的家族” 。家族政策の重要性を前置きしたうえで「民主化された家族もまた一つの理想像である」と難解なことを言ってのけ「親の権威の何たるかは、親子の話し合いによって定まるのであって、最初から決まった定型があるわけではない」と脳天を一撃してくれる。もっともこの前提には『親密性の変容』(原題『The Transformation of Intimacy』)という興味深い著作があるので、興味ある向きにはこちらもおすすめ。






2007-03-10 (土) 21:30:16 (3758d)