ウィンブルドン現象

「ウィンブルドン現象」についてのメモ。ウィンブルドン現象とは…
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ウィンブルドン現象 †

  • 1960,70年代のシティの国際金融市場としての発展に対して、イギリスの国内市場(とりわけ証券流通市場)は、業態間および業態間内部での競争制限的慣行を通じて保護され、旧態依然の取引制度であった。
  • そのため、1980年代に入って、イギリスの株式がアメリカで流通するという事態が生じた。こうした状況に危機感を抱いた政府が,1986年に実施したのが金融ビッグバンである。
    • ビッグバンによって,証券売買の際の固定手数料が廃止。
    • これまで証券の自己売買を行うジョバーと委託売買を行うブローカーとを分けていた単一資格制度が廃止され,それらの証券業者に外部の金融機関が資本参加が可能に。
  • イギリスは1980年代の中盤には,金融分野の規制緩和を他の諸国に先駆けて完成させた。
  • ビッグバンは、イギリスの金融市場と金融機関の競争力強化を目的としていたが,結果は当局や現場の予想を超えて進んだ。金融市場の立地確保という意味では成功をおさめたが,そこで活動する金融機関についてみるなら,イギリス勢は見る影もなく,イギリスのプレーヤーが活躍しないテニスの世界選手権になぞらえて「ウィンブルドン現象」と呼ばれるようになった。
  • 金融機関についてみた場合,ビッグバンの対象となった証券業者(ジョバー,ブローカー)の主要な部分は,一部の例外を除いて内外の銀行,マーチャント・バンクの傘下に入った。このうち,銀行のほとんどは外国系で,イギリス系の銀行はHSBCだけ。
  • マーチャント・バンク自体も,モルガングレンフェル(1989年にドイツ銀行が買収),ベアリング(1995年にオランダING銀行が買収),クラインオート(同年に独ドレスナー銀行が買収),ウォーバーグ(同年にスイス銀行〔現UBS〕が買収)の例にみられるように,ほとんどが資金力で圧倒的な強さを誇る大陸諸国のユニバーサルバンクに買収されてしまい,イギリス系で残ったのはロスチャイルドなど数社にすぎない。
  • いまやシティは,大陸ヨーロッパおよびアメリカの巨大銀行・証券会社の独檀場と化した。
参考:田中素香ほか『現代ヨーロッパ経済』,198ページ





2007-03-10 (土) 21:30:36 (4297d)