カニバリズム

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cannibalism カンニバリズム/人肉嗜食。食人。

カニバリズム †

  • 人肉を食べること。
    • 狭義には、呪術的信仰から、また宗教的儀礼として、社会的に容認された食人の慣習をいう。
  • 飢饉や遭難などの極限状態で生じる食人事件はしばしばセンセーショナルなものとして報告されることがあるが、これらは習俗としてのカニバリズムではない。
  • それは、社会的に容認された形で儀礼や戦闘行為の一部としておこなわれたり、また食生活の一部となっている場合に限定されている。カニバリズムの語源はカリブ人(Canibales,カニバル)に由来する。コロンブスがキューバを訪れたときに、カリブ人が食人の習俗をもつと聞かされた。そしてカリブ人を指す言葉が食人をする人々一般に使用されるようになった。

カニバリズムの3つの解釈 †

  1. カニバリズムを人間の攻撃性が制度化されたものとする心理学的な解釈
  2. カニバリズムを蛋白源摂取の主要な手段として解釈する立場
  3. カニバリズムの多様性を認識した上で、その背後にある世界観や死生観を探る象徴人類学的な立場
  • 今日では、第三の立場が注目されている。
  • カニバリズムは誰を食べるかによって族内食人と族外食人に分かれる。
    • 族内食人
      • 自己が属する集団の成員、たとえば親族や家族を食べる場合である。
    • 族外食人
      • 自己の集団に属さない成員、たとえば敵対する集団の成員を食べる場合。
  • 前者には死者への愛着が、後者には憎悪が指摘される。また、それが人身供養の一部を構成するか、葬制の一部か、などによってその意味も異なってくる。
  • あえて一般化するならば、アタリが指摘するように、カニバリズムとは供犠と同じように超自然的な力の摂取と管理にかかわる社会的な行為ということができよう*1
  • 今日カニバリズムを実行している社会は皆無。非西欧人社会において広くおこなわれていたという食人習俗の多くが、聞き伝えによるところがおおく、信想性に乏しいとみなされるようになった。
  • 食人習俗は近親相姦(インセント・タブー)とともに反社会的行為とされる。したがって想像上のカニバリズムは異なる民族や妖術師などの集団内部の異人の反社会性を強調するレッテルとして使用されたり、また神話のディスクールで過去の社会状態と現在とを区別するために、過去に食人の風習が存在していたことを認める場合がおおい。
  • カニバリズムは文化と自然とを区別する一要素として機能している。
  • 西欧人のあいだで非西欧社会におけるカニバリズムの存在が容易に受け入れられたのも、非西欧人(かれらにとっての異民族)にたいする偏見に基づいていた。

*1 アタリ・ジャック『カニバリズムの秩序』みすず書房





2008-05-26 (月) 17:31:58 (3486d)