クレオール

「クレオール」についてのメモ。クレオールとは…
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クレオール †

混血による新しい国家や文化を希望する概念。ネグリチュードの対概念。クレオールは本来、植民地で生まれた白人のこと。支配する白人の言語、及び白人の文化などに混ざり合った状態を意味していた。新しい文化概念としてのクレオールは、ベルナベ、シャモワゾー、コンフィアンの『クレオール礼賛』(1989年。邦訳は97年、平凡社)に始まった。そこで展開されたのは、新しいアイデンティティーとしてのクレオール。これは、西欧文化と非西欧文化との接触によって全く新しい文化が生まれたと理解することにより、旧植民地時代の他者性を克服し、新しい希望を見出そうということでもある。しかし、クレオール自体の混血性は、祖国から離れた白人を意味していたもともとのクレオールである白人男性による、黒人女性へのレイプから始まっており、クレオール礼賛は本末転倒であるという批判もある。また、クレオールの持つ雑種文化の強さを強調する意見に対して、植民地史の文脈の上でクレオールを捉え直すべきだという批判もある。

▲知恵蔵2005[現代の思想]分野より

クレオール †

 このことばには様々な来歴がある

  • 人について言う場合
    • 旧大陸のヨーロッパ人を祖先に持ちながら「新大陸の植民地に生まれた白人」
  • 言語について言われる場合
    • この場合は母語化した「ピジン語」のことである。つまり,植民地主義や奴隷貿易によって自らの言語文化を奪われた人びとが急場しのぎに発明する言語が「ピジン語」であり,これが受け継がれていくうちに母語としての働きをするようになった言語が「クレオール」である。

 クレオール化の例としては,アフロ・アメリカ文化である。北東ブラジル,ギアナ地域,カリブ海域などのアフロ・アメリカ地域では,スペイン,ポルトガル,オランダ,イギリス,フランスなどの植民地主義によって「混血社会」がつくりだされることになった。
 白人と黒人によってムラート,マメルコ,インディオと黒人によってサンボ,マルーンなどの混血人種が生まれ,

  • クレオール語(ハイチ,マルティニク,グアドループなどで話されるフランス語とアフリカ語の混成語),
  • パピアメント(オランダ領カリブ海域で話される,英語,スペイン語,オランダ語などの多混合言語),
  • ニャニギスモ(キューバの一部で話される,スペイン語とヨルバ語の混成語)
    などが生まれた。

 文化面でも,スペインやポルトガルの文化とアフリカ文化が融合して,西洋にもアフリカにも見られないような新しい独自な文化が生みだされた。現在,文学の領域では,1992年にセント=リュシア(マルティニクの南隣の島)出身の詩人・劇作家デレク・ウォルコットにノーベル文学賞が授与され,マルティニクの小説家シャモワゾーにフランスのもっとも権威ある文学賞ゴンクール賞が授けられるなど,クレオールの文学は注目されつつある。




  • ポスト・コロニアリズムがクレオール現象に注目するのも,こうした「混血=雑種化」によって生まれる文化的創造力のためである。
  • ポスト・コロニアリズムは,異質なものの出会いと融合によってこそ社会や文化は維持され活性化されうると主張し,単一な民族と言語にその統一の根拠を求めるような近代的な国民国家の理念を批判する。





2007-03-10 (土) 21:31:34 (4515d)