サバルタン

「サバルタン」についてのメモ。サバルタンとは…
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サバルタン †

  • 「サバルタン」とは,「下層民」「従属民」ぐらいの意味で使われる。
  • グラムシの『獄中ノート』の断章「サバルタン諸階級の歴史−方法的基準」に由来する名称。

サバルタン・スタディーズ †

  • 非ユリートの主体性,およびその表象にかかわる諸問題を論じる学問潮流。
  • 「サバルタン」が有効な概念として展開されるようになるのは,コミュニスト史家ラナジット・グハ(1922〜)が中心となって1980年代初頭に形成されたインド史の研究プロジェクト「サバルタン・スタディーズ」において。
    • 「サバルタン・スタディーズ」プロジェクトは,1982年から『サバルタン叢書』という研究叢書を刊行している。
  • 研究プロジェクトは,それまで近代インド史において無視されてきたサバルタン集団に注目することによって,イギリス人エリートによる植民地主義的な歴史記述とも,インド人エリートによる民族主義的歴史記述とも異なる「下からの歴史」を書き,声を奪われてきた人びとを歴史的主体として復権させようとする。
  • 彼女によれば,サバルタンとは「自らを語ることができない者」であり,たとえ語っても,それを解釈する他者の視点と言葉によって覆い隠されてしまうような者のことである。
  • スピヴァクは,インド社会の女性をサバルタンの実例としてあげ,「寡婦殉死」の議論に当のインド人女性が沈黙を強いられていることを告発して,ポスト・コロニアリズムフェミニズムと結びつけた。(→ポストコロニアル・フェミニズム)
  • スピヴァクはグハと協力して,『サバルタン研究論文選』(88)を編集し,これにはサイードが序文を寄せている。
  • 1993年に北米で「ラテン・アメリカ・サバルタン研究協会」が設立されたことからもわかるように,現在,サバルタン研究はインドを超えて世界中に多面的なインパクトを与えつつある。





2008-05-02 (金) 17:50:51 (3846d)