シーメンス事件
1914年に暴露された海軍首脳とドイツのジーメンス=シュッケルト社の疑獄事件。同社事務員が重要文書を同社から盗み,恐喝した事件の裁判を同年1月23日付新聞がロイター電で報道して,初めて事実が明るみに出された。第34帝国議会で取上げられ,衆議院議員島田三郎が軍閥批判の演説を行い,国民運動に発展,同2月14日倒閣国民大会となり民衆,警官が衝突,数百人の逮捕者を出した。海軍には査問委員会が設けられ,司法当局が捜査に乗出し,ジーメンス社のみならずイギリスのビッカース社,三井物産と海軍首脳の贈収賄事実も判明。3月14日,山本権兵衛内閣は総辞職し,5月29日には松本和中将ら海軍将官,佐官が軍法会議で懲役を宣告された。