ストックオプション

「ストックオプション」についてのメモ。ストックオプションとは…
HOME > ストックオプション

stock option自社株購入権

ストックオプション †

会社に貢献した特定の個人や機関に報酬として,あらかじめ決めた価格で自社株式を購入する権利を会社が認めること。アメリカ企業の間で経営者報酬制度の一環として導入されている自社株購入制度。

  • 2001年11月の商法改正で種々の規制が緩和され,第三者への付与も可能となり,新株予約権における有利発行(無償発行)として新たに位置づけられた

■自社株購入権――後出し課税が招いた混乱

 ストックオプション(自社株購入権)を使って得た利益は、懸賞の賞金のような「一時所得」にあたるのか。それとも税率が2倍近くに跳ね上がる一般の「給与所得」なのか。

 100件を超す訴訟を招いた論争に最高裁がけりを付けた。一種の精勤手当で給与所得にあたる、として国税当局に軍配をあげたのだ。

 ストックオプションとは、勤め先の株を決められた価格で買い取れる権利をさす。この権利で手に入れた自社株を、会社の業績が伸びて株価が上がったときに売り抜ければ、大もうけも夢でない。

 手元に資金はないが、将来性はある。そんな若い企業に適した報酬制度として米国で普及し、80年代には大企業にまで広がった。株高の続いた90年代の米国で、年収10億円を超す経営者が続々と生まれたのは、このおかげだ。日本でも97年から全面解禁された。

 そこで問題となったのが税金の扱いだった。早くから外資系の会社でこの権利を与えられ、利益を出した人の多くが「一時所得」として届け出ていた。税理士の助言を受け、税務署も認めてきた。それが、98年分の税務申告時から、「給与所得」と指摘されるようになった。

 最高裁の判決は、株価次第では全く利益を生まない可能性があるとはいえ、会社に貢献したことに対する見返りという制度の実態を追認したものだ。

 とはいえ、国税当局がすべて正しかったということではなかろう。外資系企業の経営者らを裁判にまで追い込んだのは、税務行政があいまいだったからである。この点に最高裁判決が触れなかったのは納得できない。

 新しいアイデアを生かした商取引や報酬制度などはこれからも生まれよう。国税当局は、どんな税が適用され、税率は何%になるのか、分かりやすく説明すべきだろう。唐突に課税基準を変えられては、国民は戸惑うし、ビジネスでの創意工夫の芽を摘むことにもなる。

 財政再建が急がれるからといって、取りやすいところから取るような姿勢では、納税者の信頼や協力は得られない。

 「法改正も通達もないまま、理由も公表しないで、後から高い税率をかけるのは横暴だ」。訴訟に踏み切った経営者たちの怒りは当然だろう。課税の「後出しじゃんけん」は許されない。

 課税問題に最終決着がついたことで、ストックオプション制度の国内での普及にさらに弾みがつきそうだ。すでに上場企業の3分の1が導入している。

 ただ、正しい経営情報が開示され、市場で会社の実力を映した株価が決まるのが大前提だ。そうでなければ、投資家をだまして株価をつり上げ、経営者や社員だけが肥え太ることになりかねない。

 破綻(はたん)した米エンロン社などの不正会計の背後には、高い株価を維持し、ストックオプションで巨額報酬を得る不純な動機があったとされる。

 この教訓も忘れてはならない。

ストックオプション訴訟の教訓(1/28)
 ストックオプション(株式購入権)による利益は一時所得か給与所得かで争われていた訴訟は、最高裁が給与所得として課税した国税当局を支持する判決を下したことで司法判断の混乱に終止符が打たれた。

 企業の経営幹部などにあらかじめ決められた価格で株式を購入する権利を与えるストックオプションは、勤労意欲を高める株価連動型報酬の一つ。業績向上などで株価が上がれば権利価格を上回った分が利益となるが、利益が一時所得か給与所得かで税金に2倍近い差が生じる。国税当局が、税金の軽い一時所得から重い給与所得に変更したのを不服とする納税者による訴訟が頻発し、地裁段階の判断は割れていた。

 自分で選べる権利行使の時期で利益が変動し、子会社(日本法人)の経営幹部に与えられた親会社(外国企業)株のストックオプションは職務の貢献と株価の関連が薄いなど、一時所得の要素があるのは確かだ。しかし、最高裁が「労務の対価」であるとして給与所得とみなしたのは常識的な判断であり、遅れて制度を導入した日本企業では給与所得として課税していることとの整合性からも、妥当な判断といえる。

 問題は制度自体になじみが薄く、対象者が外資系企業の経営幹部に限られていた時期に一時所得として課税していた国税庁が、その後給与所得に変更し、しかも過去にさかのぼって適用したことにある。いつ、誰が、どのようにして税務執行の方針を決めたのかが定かでなく、税務署の指導も統一されておらず、変更の事実を納税者に周知させることを怠ったという問題だ。敗訴した原告の主張の一つは裁量的な税務行政の不当性にあったのだが、最高裁の判決はその問題に触れていない。

 権力の行使である徴税は法に基づくと同時に、分かりやすく、統一した指導の下であいまいさを排除すべきものだ。裁量的な税務執行が納税者の予測可能性を阻害し経済行動をゆがめる恐れがあることは、貸倒引当金の損金算入を巡る金融機関と税務当局の確執などでも珍しくない。説明責任を回避する税務当局の強圧的な姿勢は国民の信頼を損ねるものだ。裁判には勝ったが、国税当局が反省すべき点は少なくない。






2007-03-10 (土) 21:32:31 (3668d)