Darwinism
C.ダーウィンの進化論。単に進化論の一種であるだけでなく,進化論確立の重大な意義をもつ。『種の起原』(1859),『家畜および栽培植物の変異』(68),『人間の由来,および雌雄間選択』(71)の3著作に述べられた一連の考えをさすが,自然選択説が中心となっている。その骨子は,すべての生物に微小な変異があり,自然界の生存競争すなわち自然選択によって生存に有利な変異をもつ個体が生残り,子孫を残し,世代を重ねるうち,有利な変異の集積によって新しい種として確立するという考えである。しかしダーウィンの時代には遺伝の機構は明らかでなかったので,遺伝する変異の範囲に曖昧さがあり,ダーウィニズムという場合に,今日の理解にどこまで密着させて考えているかは,用いる人,場所によりいろいろである。