(ロシア) tsarizm; 英 czarism
帝政ロシア時代における専制政治形態。
農奴制を基盤とし、膨大な官僚制をしき、ツァーリが強力な権力をふるった。
1917年ロシア革命により崩壊。
帝政ロシア(16〜20世紀初)の専制政治体制のこと。農奴制を基礎にし,厳格な身分秩序と官僚制機構を骨格とした絶対君主制である。その特徴は,教会が国家機関化し,ツァーリに対して隷属的であった点,イワン4世(雷帝)のときに大貴族(ボヤール)を徹底的に弾圧してツァーリに権力を集中した点である。このようなツァーリズムも,農奴解放(1861),1905年の第1次革命などでその基礎を動揺させ,17年の十月革命によって最終的に打倒され,皇帝ニコライ2世の処刑をもってその幕を閉じた。