デュアリズム

「デュアリズム」についてのメモ。デュアリズムとは…
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dualism

デュアリズム †

  • 二元論や二神教など、二つの原理で世界を説明する言説の総称。

デュアリズム †

 労働市場において,正規雇用以外の周辺労働力部分(パートタイマー,臨時雇い,季節労働者など)を拡大し,これを景気変動のショック・アブソーバーとして利用する戦略。

政治学/デュアリズム †

  • コーポラティズム(特に社会コーポラティズム)・多元主義
    • さまざまな条件を付しながらも基本的には自由な団体活動の中から公共の利益は実現されていく,と考える傾向にある。

デュアリズムは,特に労使の対等性を強調するコーポラティズムに対抗して,労働勢力の弱さを強調。
政治学者の新川敏光は,1975(昭和50)年春闘において労使協調が行われ,所得政策が実現されているからといって日本にコーポラィズムが成立しているのと見るのは不適切であるとする。

  • 「1975年春闘で穏健派労組と資本との間で,賃上げは経済合理性の範囲内で行うという合意が明示的に形成された。こうした賃金抑制への労使間合意は,一見コーポラティズム体制と見られがちであるが,日本の労働には,資本と対等の立場で交渉する組織力がなく,後見役となる社民政権も存在しない。.労働運動のコーポラティズムへの志向は,結局デュアリズムの円滑化に役だったにすぎない」(新川,1989,162頁)

デュアリズム論は,労働者の利益は,労働組合が広範にかつ集権的に組織されていなければ実現できないという,コーポラティズム論と同じ前提に立って日本の事例を理解しようとするもの。

これに対し労働政治を研究する久米郁男は,このように労働組合の影響力を決定論的に見る立場からは,戦後日本において労働者が急速に豊かになり,また安定した雇用が最近まで守られてきた事実を説明できないと批判。

  1. 日本の労働組合が、企業内部での労使の交渉の結果,生産性の向上を通じて労使双方の利益を増進する体制を作り上げたこと
  2. 政権維持のため労働者から支持を得ようとしていた自民党政権と交渉し,賃上げ自粛と引き換えに雇用の安定を守ったこと

などがそこでは強調。弱いと考えられた労働組合も,政治的交渉を通して成果を上げえたことに注目すべきだと主張する点で,多元主義的な立場からの反論を行った。

  • 政治学」有斐閣





2007-03-10 (土) 21:33:05 (3792d)