ドル化

「ドル化」についてのメモ。ドル化とは…
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dollarization ドラライゼーション/ダラライゼーション

ドル化 †

  • 自国の通貨を廃止し,アメリカ-ドルを国内流通通貨とすること。
  • 通貨危機を避ける目的をもつが,一方で通貨発行益を得られない,金融政策による景気対策がとれない,アメリカの金融政策がその国の経済に大きな影響を与えるなどの問題がある
  • 2種類のドル化
    • 公式ドル化(ofcial dollarization)
      • 米ドル圏にある国が自国通貨の使用を断念し,米ドルを法定通貨とする
    • 非公式ドル化(unofficial dollarization)
      • 法定通貨としては自国通貨のみが存在するが,米ドル建て資産,現預金保有が法的に認められるか,あるいは非合法に保有する場合

パナマはドル化の典型的な例であるが,1903年独立とともに,独立以前から国内に流通していた米ドルを法定通貨として追認した。自国通貨としてバルポアがあるが,バルポアの硬貨は補助通貨として並行して使用されているにすぎない。

 99年1月,ブラジル通貨危機の際,カレンシーボードを採用しているアルゼンチンのメネム大統領が,通貨危機回避のためドル化を提議したことが契機となって,米ドル圏のラテンアメリカ諸国を中心にドル化の議論が高まった。これに対し,米国の当局者は議会証言において,「ケース・パイ・ケースで慎重に対応すべき」との基本的姿勢を明らかにしている。その後,2000年1月,エクアドルが経済危機打開のためドル化計画を発表,米ドルを法定通貨とするとともに,2001年3月までに自国通貨スクレと米ドルとの交換完了を予定している他,2000年11月に,エルサルバドルが米ドルを法定通貨に指定し,2001年1月より自国通貨コロンと同じく自国内での流通を認めると発表した。エルサルバドルは、自国通貨との併用を認めながら徐々に自国通貨コロンの流通量を減少させ,ドル化を進める方針である。また2001年5月グアテマラが自国通貨ケツァルとともに米ドルの使用を認める法律を施行した。ただし自国通貨を廃止しない二重通貨制である。

 ドル化実施国は,自国通貨を放棄することに伴い,紙幣発行益(シニョリッジ)を失い、国内で使用する米ドル紙幣も米国から供給を受ける必要がある。

 ドル化は為替相場制度の面から見れば,変動為替相場制の対極にある強固な固定為替相場制である。

  • ドル化のメリット
    • 通貨価値が安定し,物価や経済全体の安定化につながることが指摘される。特にラテンアメリカ諸国は,変動相場制下では,ダブルミスマッチ(ドル資金を調達して自国通貨に換えて投資することから生じる通貨のミスマッチと,短期の調達で長期の投資を行うことから生じる期間のミスマッチ)のリスクにさらされており,通貨価値が急激に下落しやすく,国内の流動性格渇が起こりやすい。この点はドル化により解決されると指摘されている。
  • ドル化のデメリット
    • 独自の金融政策を放棄して米国当局の金融政策を受け入れることになるが,米国の金融政策がドル化実施国に適切とは限らないこと,中央銀行は最後の貸し手機能を失うため金融不安が発生しても米ドルを供給できないこと,自国通貨を放棄するため紙幣発行益を失うとともに,外的ショックに見舞われたり改革が期待通りに進まない場合でも後戻りが不可能であること等が指摘されている。





2007-03-10 (土) 21:33:22 (4396d)