ドル危機

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dollar crisis

ドル危機 †

1958年以降アメリカの国際収支悪化に伴ってドル残高と金流出が増加し,国際通貨としてのドルの信認が失われるにいたったが,このような危機的状態に達したドル不安のこと。ドル防衛がその対策として打ち出された。

第2次世界大戦後の国際通貨制度であった金為替本位制の中心(基軸)通貨ドルが,その役割を果すことが困難になった状況をいう。アメリカは1950年代の中頃にいたって,第2次世界大戦直後の高額の国際収支黒字から次第に黒字幅が減少,そして赤字に転落した。これによって発生した対外債務は赤字の増大とともに累増し,金準備比率を低下させ,金・ドル交換の確保も困難になった。ドルの国際的な信認は低下しはじめ,その帰結としてドルの金への激しい逃避,すなわちゴールド・ラッシュの激発となった。ドルは国際通貨としての機能を完全に果せなくなっただけではなく,国際通貨制度の円滑な機能を失うという重大な事態に直面した。アメリカはいわゆるドル防衛のための種々な政策,すなわち国際収支改善のための輸出促進,海外援助,海外投資の規制などを発動し,また諸国との間のスワップ協定締結,相手国通貨建て,あるいはドル建て中期債の発行,国際通貨基金IMFにドルによる返済を依頼するなど防衛協力を得た。しかし国際収支改善の最も有力な手段とみられた国内インフレーション対策には強力な政策をとらず,国際収支改善は失敗に終った。
そのため対外債務の累積はやまず,ついに金準備額をはるかに上回るにいたり,金・ドル交換性維持を不可能としたため,ニクソン政権は71年8月15日金・ドル交換停止を断行した。ドルは金の裏づけを喪失し,なお事実上の国際通貨の地位を維持したが,その安定をアメリカの国際収支,国内の総需給状態に依存するようなまったく不安定な地位に転落した

SDR






2008-07-17 (木) 23:46:21 (3929d)