buffer player バッファープレイヤー
- 日本の政治を長く支配してきたのは「自民党システム」だった。経済成長を進めながら、その果実を経済発展から取り残される農民などに分配することで政治的な支持を調達しようとするシステムだ。それによって経済発展と政治的安定の両立が可能となり、自民党の一党優位体制を長く存続させることができた。
- しかし、経済発展による都市化の進行で「新中間層」が台頭、システムの矛盾も露呈する。80年代以降の選挙で、自民党が勝ち負けを繰り返すのは、この新中間層が「バッファー・プレイヤー(牽制的投票者)」として登場したからだ。
- バッファー・プレイヤーとは、「基本的には自民党政権を望んでいるが、与野党伯仲がよいと考えて投票する有権者」。
- それはまた自民党に代わって政権担当できる野党の不在のゆえでもあったが、民主党が結成され、様相は変化する。98年参院選で自民党が大敗したのは、経済失政に有権者は明確な「罰」を与えたのであり、失政したら政府を取り換えるという「業績投票」が日本で初めて登場したといえる。
2007-03-10 (土) 21:33:50 (4661d)