パノプティコン

「パノプティコン」についてのメモ。パノプティコンとは…
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panopticon 一望監視施設。万視塔。

パノプティコン †

  • イギリスの思想家ベンサムが考案した円形の刑務所施設のこと。
  • 中央に高い塔を置きそれを取りまくように監房をもつもの。フーコーがその著「監獄の誕生」の中で現代管理システムをこれにたとえたことで知られる。

パノプティコン †

【噴水台】

「最大多数の最大幸福」という言葉で有名な英国の功利主義哲学者、ジェレミ・ベンサム(1748〜1832)。彼は幸福が快楽から生まれると見なした。快楽は善であり、苦痛は悪と考えた。 囚人の苦痛も減らせるのなら減らすのが社会の幸福に助けになると判断した。

したがって彼は、地下監獄(dungeon)よりも良い環境の刑務所をつくるべきだと主張した。 それがパノプティコン(panopticon)である。 「すべて(pan)見る(optic)」という意味を持つ円形監獄だ。 絵の中のパノプティコンでは、囚人の部屋が円状に配置されている。中央には監視塔がある。 監房は常に明るく、監視空間はいつも暗い。 看守はすべての囚人の動きを見ることができるが、囚人は看守が何をしているか分からない。 経済学者のアダム・スミスが市場の「見えざる手」を発見したとすれば、ベンサムは「見えざる目」を考案したということだ。

当時、パノプティコンは建設されなかった。 指導層がベンサムの構想を理解できなかったためだ。 しかしそれは現代社会で別の姿として表れている。 パノプティコンの視線はいまや囚人ではなく、市民に向かっている。 英国を見てみよう。 ロンドンの中心街を通行する人は、30秒に一度ずつ監視カメラに映るという。 ロンドン市民1人が一日に監視カメラに映る頻度は最大300回という。 にもかかわらず、カメラをさらに増やすというのが英国当局の方針だ。 米ニューヨークの場合、繁華街のタイムズスクエアだけで604台(2004年現在)の監視カメラが設置されている。 米同時多発テロが発生する前の2000年には131台だったというのだから、隔世の感を抱いてしまう。 ソウルでも街の「隠れた目」は徐々に増えている。

もちろん、それをすべて悪いことだとは言えない。 7月7日のロンドンテロ容疑者を突き止めたのは監視カメラだ。 それがテロと犯罪を予防する効果も無視できない。 問題は悪用されるケースである。 監視カメラに写った写真が、不法盗聴テープのように幅を利かせてはならないという法はない。 カメラを触る手に対する市民の監視はだから重要だ。 現代のパノプティコンは透明にならなければならない。 「最大多数の最大不幸」を防ごうとするのなら。






2007-03-10 (土) 21:33:57 (3491d)