フォーディズム

「フォーディズム」についてのメモ。フォーディズムとは…
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Fordism

フォーディズム・フォード主義 †

  1. フォードシステム(Ford system)と同義。
  2. 戦後先進諸国における大量生産-大量消費型の高度成長体制。1960年代末に危機に陥り現在にいたっている。流れ作業と高賃金を先駆的に導入したフォードにちなんだ命名だではあるが、レギュラシオン理論においては、経営理念や生産方式でなく,特定のマクロ経済体制をさす語として用いる。

資本主義の黄金時代「フォーディズム」 †

 戦後に始まり1970年代中頃まで続く「資本主義の黄金時代」は,次のように特徴づけられる。

  1. 「生産性上昇率」と「労働者1人当たりの資本ストック」の並行的で高い伸び率,
  2. 「生産性上昇率」に比例した「実質賃金の上昇」

その結果,企業の高収益が長期にわたって維持され,高水準の投資需要が続いた。また生産性の上昇が労働者の所得の上昇に反映されたために,消費需要も拡大し続けた。フォーディズムと呼ばれる作業の標準化による大量生産システムを基礎とし,大量生産・大量消費のメカニズムに支えられたこの蓄積様式こそ,戦後の高度成長の核心となった。

レギュラシオン理論「フォーディズム」 †

  • フォーディズムの時代
    • レギュラシオン理論において、第二次世界大戦後から石油ショックまでの資本主義の黄金時代を、「フォーディズム」と呼ばれる「蓄積体制」と「調整様式」からなる発展様式とその危機への転化という論理を使って説明する。
    • 戦後の先進諸国では、技術革新による生産性の上昇につれて実質賃金が上昇し、大量消費へとつながり、その消費は投資を刺激するという回路が発見された。消費の増大は投資を刺激し、消費と投資という総需要の構成要素がともに増大することとなる。総需要の増大は経済成長をもたらし、さらに経済成長は規模の経済性の実現によってさらに生産性を上昇させた。フォーディズムの時代にはこのような「蓄積体制」が形成されたのである。
  • フォーディズムの条件
    • このような蓄積体制の形成を可能にするためには、生産性上昇が賃金上昇に結び付いていなければならないが、「フォーディズム的賃金妥協」と呼ばれる労使間の妥協が成立したことによって、それが可能になったのである。これは経営者側が「生産性インデックス賃金」を認めるかわりに、労働者側も「テーラー主義」を受容するという妥協の上に成立したものである。
    • そして、その妥協を保証・維持したのが、「団体交渉制度」「最低賃金制度」「社会保証制度」である。このように、フォーディズムの賃労働関係は、所得分配を全面的に市場に委ねてはおらず、労働関係の立法を初め非市場的な制度諸形態によって調整されたものであった。
  • フォーディズムの危機
    • 戦後の資本主義の黄金時代を支えたフォーディズムは、60年代末または70年代初頭に危機に陥り、世紀末の世界は長期的な不況に突入し、成長から危機に転化した。
    • レギュラシオン理論によれば、危機は資源価格の高騰という価格問題に真の要因を見出すのではなく、フォーディズムの発展様式それ自体が限界に達し、フォーディズムの蓄積体制も調整様式も機能不全に陥ったととらえるのである。
    • そして、その危機の要因を「労働編成の危機」と「労使妥協の危機」の二つに見出す。
    • 労働編成の危機
      1. 規格化された製品が市場を一巡することで需要動向が「少品種大量生産」から「多品種少量生産」へと移行したために生じた。これによって、規模の経済性を生かすことが困難になり、従来のような「総需要⇒生産性」という回路が閉ざされた。
      2. フォーディズムの基盤をなしたテーラー主義的労働編成が壁にぶつかった。テーラー主義の下では、生産性上昇のためには労働の断片化・無内容化、監視・監督の強化をいっそう進める以外にない。しかし、それが労働者側の反発(サボタージュやストなど)を招き、新たな機械をいくら導入しても生産性が上昇しないという事態になり、「投資⇒生産性」の回路もまた行き詰まりを見せた。
      • 「労使妥協の危機」は、先ほど見たような変化に対する経営者側の対抗策から生じたものである。つまり、生産性の伸びが鈍化したことによって、賃金を抑制し利潤の回復をはかろうと試みた。労働組合は弱体化し、かつてのような契約的賃金は破棄され、賃金は個別的・差別的に決定され、政府は賃金緊縮政策をとるようになった。経営者側は生産性インデックス賃金を維持することができなくなり、「生産性⇒実質賃金⇒消費」という回路も閉ざされることとなった。
    • このように生産性の確保メカニズムと分配メカニズムともども麻痺し、蓄積体制と調整様式は瓦解した。フォーディズム的発展様式の危機の根源には賃労働関係の危機がひそんでいる。労働編成の危機が根源であり、それに労使妥協の危機が折り重なっている。それがレギュラシオン理論の解読するフォーディズムの構造的危機としている。

・フォーディズムは生産ノルムと消費ノルムの同時的・平行的変容に特徴がある。

ポスト・フォーディズム
フォーディズム的妥協






2008-05-22 (木) 17:01:17 (3263d)