フランス啓蒙思想

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フランス啓蒙思想 †

ロックにはじまる穏健なイギリス啓蒙思想は,フランスへと受け継がれると急進化し,やがて訪れる大革命の原動力になった。またフランスでは,百科全書派やルソーなどの啓蒙思想家が活躍する反面,モラリストとよばれる懐疑思想家も独自の思索を展開した。

”寛柄棺馭
1751年からフランスで全35巻におよぶ『百科全書』が刊行された。その執筆・編集にかかわった一群の思想家を百科全書派とよんでいる。
1)百科全書
革命前夜のフランスを支配していた啓蒙主義の精神を反映した全35巻の書物で,途中刊行停止命令を受けながらも,1751年から1780年の30年間かけて刊行された。当時最高の科学的学問の成果を取りいれた画期的な書物。ディドロやダランベールが中心となり,ヴォルテール,モンテスキュー,ルソーなども加わった。

2)ヴォルテール
ロック(イギリス経験論・啓蒙思想)をフランスに導入した啓蒙思想家である。宗教的独断を排し,寛容の精神を重視した。また自然科学的精神とヒューマニズムとの調和をめざした。

3)ディドロ(Denis Diderot,仏,1713年〜84年)
フランス啓蒙思想を代表する人物で,百科全書の計画・編集者でもある。唯物論的な思想を展開した。

4)ダランベール(Jean Le RondD'Alembert,仏,1717年〜83年)
哲学だけでなく数学・物理学にも業績を残し,ディドロとともに百科全書の編集・執筆に携わった。経験的知識を重視し,実証主義的な立場をとった。『百科全書』の「序論」が有名。

5)モンテスキュー(Ch.L.de S. Montesquieu,仏,1689年−1755年)

ヴォルテールと同じくロックの影響を受けて,フランス絶対王政を批判した。統治権を三つに分割する三権分立の思想は,近代政治制度の基礎となっている。『法の精神』(1748年)の他,『ペルシャ人への手紙』(1721年)が有名。ディドロ,ダランベールに協力し,百科全書の編纂にも携わった。

▲襯宗次Jean-Jacques Rousseau,仏,1712年〜78年)
百科全書に寄稿し,独自の社会契約説を展開するなど,啓蒙思想家としての側面を見せる一方,啓蒙思想の行き過ぎた理性主義に対する批判(自然に帰れ)を展開している。また,その教育思想はドイツのカント(ドイツ啓蒙思想)に,小説文学作品は近代文学に大きな影響をおよぼしている。

1)自然に帰れ
ルソーによれば,自然状態にある自然人は自己愛(=自己保存の欲望)だけではなく,あわれみの情(同情心)をも備えている。しかし人間が集まり社会ができると,不自由や不平等が発生する。ルソーは自然状態から社会が堕落(不平等・不平等の発生)した原因を,私有財産に求め,「自然に帰れ」のスローガンのもと文明社会を痛烈に批判した。

2)社会契約説
ホップズやロックのいう自然状態と異なり,ルソーの自然状態は自由・平等・平和の支配する理想状態である。堕落した文明社会のなかに理想的な自然状態を構築するためには,社会契約を締結することによって,すべての人が自己を一般意志に服従させなければならない。政府や統治者はこの一般意志に従い,法も一般意志の表現とならねばならない。

  • 特殊意志:公共の福祉に反し私利私欲を追求する意志
  • 全体意志:特殊意志を総計したもの
  • 一般意志:公共の福祉を実現しようとする普遍的な意志

3)主著
『人間不平等起源論』(1755年)
不自由・不平等の起源を私有財産制度に求める

『社会契約論』(1762年)
社会契約論の展開

『エミール』(1762年)
教育小説→カントに絶大な影響をおよぼした

『新エロイーズ』(1761年)
恋愛小説

『告白』(1782年〜89年)
自己告白→近代レアリズム小説の源流






2007-03-10 (土) 21:34:26 (3697d)