ヘッケル

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Ernst Heinrich Haeckel

ヘッケル †

1834〜1919

ドイツの動物学者・進化論者。海産無脊椎動物を研究。ダーウィン進化論に基づき生物の進化類縁関係を系統樹で示し、個体発生と系統発生の関係について生物発生原則を提唱。

著「人間創成史」

 ドイツの動物学者ベルリン大学とヴュルツブルク大学で医学や自然科学を学び,1857年ベルリン大学で医学士の学位を取得,翌年には開業医の資格を取得する。61年にイェーナ大学の私講師となり,65年に動物学の教授となり,1909年まで務めた。

 今日、彼の名は動物学者として以上に,ドイツにおける進化論思想の普及に対する功績によって知られている。

 理論面においては,『一般形態学』(1866年)のなかで生物界を統一的・階層的に捉える試みを展開した。生物発生に関して彼が提唱した「個体発生は系統発生を繰りかえす」という反復説は,その後の生物学のみならず広い分野に影響を与えた。だが,生物の進化を個体の成長になぞらえるこの発想は,その背後に,進化をある定まった方向に(露骨に言えば,人類を発展の最終日標とする方向に)進む過程とみなす観点を潜ませたものであり,そのためヘッケルのこうした生物発生原則観は,後に人種差別主義の根拠として利用されることにもなった。

 こうした展開と平行してヘッケルは,1860年に独訳された『種の起源』をいち早く読んでその信奉者となり,1863年にダーウィンの思想をドイツに紹介し,みずからも『自然創造史』(1868年)などを著して,ドイツにおけるダーウィニズムの普及に努めた。ゲーテ(1749〜1832)とラマルク(1744〜1829)を進化論の先駆者として重視し,自然選択以外の進化要因をも認めようとしたヘッケル流の進化論思想は,厳密に見ればダーウィンの思想とは異なる点を多くふくんでいるとはいえ、たとえば晩年のニーチェ(1844〜1900)の思想にも確実に影響を与えた。
 晩年のニーチェの遺稿を見てみると,進化論に対する批判的な発言が目につくものの,厳密にはその批判は機械論的な自然選択説に向けられたものであり,「力への意志」という概念を考えてみても分かるように,進化という発想そのものはニーチェ自身も受容していた。

 さらに,19世紀の科学思想をヘッケル独自の観点から整理した『生命の不可思議』(1904年)は,各国語に翻訳されて,ドイツ一元者同盟の結成といった社会運動にも影響を与えた。






2007-03-10 (土) 21:34:46 (3793d)