ボードリヤール

「ボードリヤール」についてのメモ。ボードリヤールとは…
HOME > ボードリヤール

消費社会の神話と構造

ボードリヤール †

  • 1929年〜。
  • フランスの社会学者・思想家。パリ大学ナンテール校の社会学の教授を務めた。
  • ポスト構造主義哲学者の一人とされる。物を記号としてとらえる消費社会論を提唱。象徴交換論による現代文明批判を行う。

ボードリヤールの思想的展開 †

参考:日本大百科

【第1期】
マルクス経済理論の体験から始まり、ソシュール言語学、さらにはフロイトの精神分析を知的源泉として、物を記号としてとらえ、現代消費社会の記号学を構築したことによって世界的に名をはせた時期。『物の体系』(1968)、『消費社会の神話と構造』(1970)などで、マルクスの商品論にみられる商品の物神性に関する考えを受け継ぎながら、生産と消費への欲望を研究した。そこから、現代消費社会は「差異化」「記号化」されたシステムとコードに組み込まれているとする主張を展開した。
【第2期】
象徴交換論を展開し、シミュレーション(模造)の問題を検討するなかでマルクス主義にアンチテーゼを突きつけた時期。『象徴交換と死』(1976)では、マルクス主義の終焉を主張、「労働が終わり、生産が終わり、経済が終わる」とした。モースの「ポトラッチ」研究などにみられる贈与交換社会(贈与を受け、返礼することによってそのシステムを保つ社会)の概念から、社会と人間の「象徴的な贈与関係」を考察し、人間の「死」は、働き、子をつくる社会システムのなかで、「延ばされた死の贈与」を受け取ること、とした。『シミュラークルとシミュレーション』(1981)では、現代の過剰生産社会のなかで、オリジナルとコピーは差異を越えてシミュラークル(模造品)となる、つまり、現代社会に生きるわれわれはオリジナルの存在しない「ハイパー(超)現実」に取り込まれている、とした。

【第3期】

ボードリヤールにとっては終わったはずの世界の歴史だが、その歴史が20世紀末に向かって激動を続ける状況と向かい合う、文明批評の時期。彼は「ハイパー現実」を示すことにより、ニヒリスト的、黙示録的な「歴史の終焉」を告げた。しかし、世界の歴史は、ベルリンの壁の崩壊に始まり、ソ連の解体、湾岸戦争と20世紀末に向かった。

  • 『透きとおった悪』(1990)
    • エイズにみられるような免疫性の喪失、「自浄能力」を失った世界を描く。
  • 『湾岸戦争は起こらなかった』(1991)
    • コンピュータ・ゲームと見間違うような映像で見る空爆や地上戦、そして戦争が終結しても何事もなかったかのようにそのまま大統領を続けるフセインなど、奇妙にも実在感がまるで欠けている戦争を描いた。
  • 『完全犯罪』(1995)
    • 現代社会における現実の解体を通して、世紀末の乗り越えを図る世界を考察。

1981年には来日し、講演を行った。






2008-07-25 (金) 20:48:48 (4599d)