ポスト・コロニアリズム

「ポスト・コロニアリズム」についてのメモ。ポスト・コロニアリズムとは…
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post-colonialism ポスコロ/ポストコロニアリズム・ポストコロニアニズム

ポスト・コロニアリズム †

  • 文字どおりには「植民地主義の後続形態」という意味。
  • 現在においては経済力や軍事力による露骨な植民地支配は影を潜めているが,文化という面での支配は依然として続いている。
    • ポストコロニアリズムは、この現状を重視し、文化による帝国主義的支配の戦略をあばきだして克服しようとする。
    • 近代の帝国主義は,「国民国家」の理念を掲げてきたために,宗主国は植民地の異民族や異文化にも自分たちの言語や文化を押しつけ,それに同化させようとする文化支配の傾向を持っている。
  • ポスト・コロニアリズムが提唱する抵抗の戦略は,「多文化主義」
    • ポスト・コロニアリズムは,社会や文化を単一な民族と共通の言語に基づく一元的なものとみなす従来の見方を批判して,多様性と重層性を強調する。
    • 社会や文化は「混血=雑種(ハイブリッド)化」によってこそダイナミックに変化していく。
    • その好例が「クレオール」現象である。
  • 「クレオール」
    • 土着民が枯民地などの外来の移住民とコミュニケーションする必要から生まれる「急場しのぎの混成語」だが,これも時間がたつうちに,語彙が豊富になり,普通の「自然言語」と変わらなくなる。
    • この事実は,国民国家を支えるとされる言語のアイデンティティーが,長い時間の尺度でみれば相対的なものにすぎず,複数の言語の相互作用から生じてくることを示している。
  • 社会の「混血=雑種性」を問題にしようとすれば,一つの社会における人種やエスニシティジェンダーの差別も問題にせざるをえない。ポスト・コロニアリズムの形成に重要な貢献をしたイギリスのカルチュラル・スタディーズは,アルチュセールグラムシの影響のもとにフェミニズムやサブカルチャー研究に関心を示すようになっていたが,これが多民族国家のアメリカやオーストラリアに移入され,エスニシティやジェンダーヘの関心が高まった。
  • スピヴァクは,インドの「寡婦殉死」をめぐる西洋の男性とインドの男性の議論において,当の女性たちが沈黙を強いられていたことに注目し,女性や黒人といった植民地の最下層にいる言語を奪われてきた人びと(サバルタン)の存在を強調した。
  • 「グローバリゼーション」によって,世界の文化が均質化し,従来の国民国家の理念が破綻している現在,多文化主義に基づく共同体の可能性を模索するポスト・コロニアリズムの試みは,重要な意味をもっている。





2007-03-10 (土) 21:35:09 (3697d)