マスメディア

「マスメディア」についてのメモ。マスメディアとは…
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mass media マス・メディア

マスメディア †

  • マス・コミュニケーションの媒体となるもの。新聞・雑誌・ラジオ・テレビなど。
  • マスメディアとは,少数の送り手集団が,同一内容のメッセージを,同時に空間的に拡散した不特定多数の受け手に伝達する「マス・コミュニケーション過程」を媒介する機械技術的な手段をいう。
  • マスメディアは,いずれも数十万人,数百万人,ときには数千万人の受け手に対して,大量の情報を迅速に流布する媒体(メディア)。

マスメディアの種類と特性 †

  1. 印刷メディア
    • 抽象性をもつ文字によっで情報を伝達するので,受け手の「能動的な姿勢」「能力」を必要とする。
    • 長所:冷静で論理的な深い理解に到達でき,反復して内容を確認できる。
    • 短所:識字率が低いとメディアとしての機能に限界がある。
  2. 電波メディア
    • 音声や映像といった「感性」に訴えかける大量の情報を,直接受け手に伝達する。
    • 長所:文字が読めない者にも情報伝達が可能で,受け手に強いインパクトを与えることができる。
    • 短所:冷静で論理的な理解よりも,「情緒的」な反応を呼び起こす可能性があり,大衆動員・大衆操作の手段として利用されやすい。
  3. ニューメディ
    • CATV,インターネットなど。

マスメディアの政治的機能 †

  1. マス・デモクラシーの存立要件としての機能
    • かつて,J.ブライスは「大規模な国でのデモクラシーを可能にしたのは新聞である」と述べ,また,W.リップマンは「新聞は民主政治のバイブル」と称したが,現代政治において,マス・メディアの発達は「マス・デモクラシー存立の暗黙の前提条件」であり,現代の選挙はマス・メディアの作用なしには効果的に機能しえない。
    • 大衆社会においては,民主制と独裁制の区別なく,大衆の政治参加と支持が,その政治システムの安定にとって不可欠の要件である。そして,大衆の政治参加における判断材料を提供するのがマス・メディアである。
  2. 政治的「事実を報道」する機能
    • マス・メディアは,無数に存在する政治的事実の中から「報道すべき事実」を取捨選択して国民に提供している。では,いかなる基準に基づいて選択しているのか。ある事実が報道に値するか否かは,その事実のもっているニュースとしての価値による。この価値および価値判断をニュース・バリューという。このニュース・バリューの基準」は,ジャーナリストの間での不文律(内輪の常識)であり,客観化することが困難なものである。そこにはジャーナリストの偏見やステレオタイプが介入しやすい。
    • 「事実の報道」は,客観的・中立的かというと必ずしもそうではない。「報道すべき事実」を取捨選択する過程で,マス・メデ
      ィアの価値判断が入る。この「メディア・フレーム」によって,マス・メディア自身が暗に特定の立場を表明し,世論を特定の方向に誘導する機能をも果たしている。
  3. 政治的事象を評論する機能
    • マス・メディアは,「事実の報道」に加えて,事実を理解するのに役立つ解説や評論も国民に提供している。当然これは客観性・中立性を心がけたとしてもマス・メディアの,あるいは評論者の主観的立場の表明となる。これら報道機能や評論機能を通じて,マス・メディアは世論形成に影響を及ばしている。
  4. 知識提供機能
    • マス・メディアは,その社会における行動様式を身につけることをはじめ,人の社会化への寄与や文化の世代的継承など,広い意昧での「教育的機能」を果たしている。
  5. 娯楽提供機能
    • マス・メディアは,娯楽を提供することにより,人々に慰めを与えたり,社会的緊張を緩和したりする機能を果たしている。テレビの場合,娯楽番組の占める比率は報道・救貧番組に比して著しく高い。人々は娯楽に関心を示す分だけ政治には関心を示さなくなる。政治的無関心を醸成する要因の一つといわれている。

ラスウェルの3機能 †

  • アメリカの政治学者H.D.ラスウェルは,マス・メディアの社会的機能として次の三つの機能を挙げている。
  1. 環境の監視機能
    • 社会の存立を脅かす環境条件の変化に対応するため,社会の内外に生じた事態や変化を監視し,その成員に伝達する役割を担う。
  2. 社会の諸部分の調整機能
    • 社会の成員や下位組織の要求を整理統合して全体の意思決定に反映させ,同時にその決定を成員や下位組織に伝達し,社会の諸利益を調整するための回路となる。
  3. 社会的遺産の世代的伝達機能
    • 社会的な遺産である文化や伝統・社会的規範などを世代を超えて維持する役割を損う。子供の「政治的社会化」にとって,マスメディアの影響は大きい。

ラザースフェルドとマートンの3機能 †

アメリカの社会学者P.F.ラザースフェルドとR.マートンは,マス・メディアの機能として次の三つを挙げている。

  1. 地位付与の機能
    • マス・メディアによって取り上げられた人や組織が,そのこと自体で人々によって高い評価をもって見られるようになることをいう。
    • 「ある人物や政策に,ひとたびマス・メディアが好意的な注意を向けると,その人物,政策の社会的な立場は引き上げられる」。人々は,タイムズ紙のような高級紙が取り上げることは重要であるに違いないと考えるので,新聞に好意的に取り上げられた事柄の重要性を無批判的に受け入れる。
  2. 社会規範の強制機能
    • マス・メディアが,社会的規範から逸脱した行動(たとえば汚職や環境破壊など)を取り上げ公表すると,人々は社会的規範を再認識させられ,逸脱行為をした人物に対しても社会的制裁の履行を要求するようになる。
  3. 麻酔的逆機能
    • マス・メディアの過剰な情報提供によって,大衆は受動的に情報を受けとることに満足感をもってしまい,問題意識が鈍化する。そして,何か問題が起こっても具体的な問題解決のための行動を起こそうとしなくなる。マス・メディアの発達が,かえって政治的無関心を醸成する。

第四の権力 †

マスメディアは,その影響力からいって,ひとつの巨大な権力。立法・司法・行政の三権と並ぶ「第四の権力](The Fourth Estate)ともいわれる。政治家・官僚を含む各界のエリートに対する調査でも,最も強い影響力をもつ集団としてマス・メディアが挙げられている。
しかし,この「第四の権力」は伝統的な政治権力とは異なり,国民による民主的統制が及びにくい。「プレス・オンブズマン」や「アクセス権」の必要性。

私企業としてのマスメディア †

 マス・メディアは,政府と国民を媒介する重要な機能を有することから「公器」とも称され,客観性・中立性・公正さを標榜する。しかし,マス・メディアも私企業である以上,コマーシャリズム(商業主義)に大きく制約される。

マスメディアと擬似環境/ステレオタイプ †

 アメリカの政治学者でジャーナリストとしても有名なW.リップマンは,著書『世論』(1922年)において,大衆社会状況の下で人々は,現実の環境ではなくマス・メディアによって提示される「擬似環境]に反応し,「ステレオタイプ]化された思考によって行動すると指摘。

  • 擬似環境
    • 人々が各自の頭の中で描いている環境についてのイメージ。それは「現実の環境」の正確な模写ではなく,さまざまな歪みをもっている。今日,マス・メディアが提供する擬似環境に依存して生活している。人間の環境に対する適応力は,擬似環境へのそれであるために,現実の環境に対する不適応を招きやすい。したがって擬似環境は,情報操作の舞台ともいえる。
  • ステレオタイプ
    • ある事柄を表現・伝達する際に型にはめて単純化し,本来の複雑で変化に富む部分を省略し固定化してとらえる概念化の仕方をいう。人々は,先入観として固定観念化されている「ステレオタイプ」を用いることで,判断という頭脳労働を節約し,また社会から孤立することを避けることができる。また,政治エリートは,こうした「ステレオタイプ」を巧みに操作することで世論の操作を可能としている。

マスメディアと公権力 †

 マスメディアの中でも電波メディアの場合は,多くの国で国営放送または公共放送の形態をとっている。また民間放送の場合も,許認可を必要とし監督官庁の影響力が大きい。






2007-03-10 (土) 21:35:19 (3758d)