モラトリアム人間

「モラトリアム人間」についてのメモ。モラトリアム人間とは…
HOME > モラトリアム人間

モラトリアム人間 †

  • 自己形成の状態にとどまり、既成の大人社会に同化できないでいる人間。

いつまでも社会的な自己(アイデンティティ identity)を確立するためのモラトリアム(moratorium 猶予期間)にとどまり、既成の大人社会に同一化しないままの状態でいる人間のこと。モラトリアムはそもそも支払猶予期間の意味であるが、社会心理学的な用語としてエリクソン(Erikson, E.H.)は、青年期は、知識、技術の研修のために、知的、肉体的、性的な能力の面では一人前になっているにもかかわらず、なお社会人としての義務と責任の支払いを猶予されている状態と定義した。ところが一九六○年代から七○年代にかけて、次第にこの意味での青年期が延長し、いつまでもモラトリアム状態にとどまる青年層がふえた。そこで、小此木は、青年のみならず各年代、階層の現代人の心に、いつまでもモラトリアム状態にいて、社会的な自己(アイデンティティ)を確立しない心理構造が一般化している事実を指摘し、こうした心理構造の持主をモラトリアム人間と名付けた。モラトリアム人間は、アイデンティティを全うするために、他の自分の可能性を切り捨てる「あれかこれか」型の生き方に比べて、「あれもこれも」型であり、自分の多様な可能性を常に自由に発揮できるような柔軟性を持っている。しかし、社会に対して当事者意識を欠き、お客様的であり、組織、集団、国家、社会に対して帰属意識が希薄で、何事にも一時的、暫定的にしかかかわらず、自分のすべてをかけることを避けるなどの心理傾向を持っている。






2007-03-10 (土) 21:35:43 (3672d)