ratchet effect
- 歯止め効果。ラチェット ratchet とは〈歯どめする〉という意味。
- 人々の消費行動に関して,しばしばみられる現象で,所得水準の低下に対して消費支出がそれほど低下しない現象をいう。
- 景気悪化で所得が減少しても、消費者は現在の消費水準を維持しようとする。このため消費マインドは低下するが、消費性向は上昇してしまう。結果として、景気を下支えする役割を持つ。
- ある家計を考えたとき,各時点での消費支出はそのときの所得水準に依存すると考えるのが一般的であるが,さらに過去において最も高かった所得水準の影響を受けることがある。このときには,消費支出,より正確には所得のうち消費支出の占める比率が所得の変化率に比べ小さくなっていく。
- モディリアーニ(F.Modigliani),デューゼンベリ(J.S.Deusenberry)により定式化された考え方である。ラチェット効果は,人間にとって一度引き上げた消費水準を所得が下がったことによって引き下げることの難しさを表している。
2008-05-25 (日) 20:30:52 (4714d)