ルサンチマン

「ルサンチマン」についてのメモ。ルサンチマンとは…
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ニーチェルサンチマン (フランス)ressentiment

ルサンチマン †

強者に対する弱者の憎悪や復讐衝動などの感情が内攻的に屈折している状態。ニーチェやシェーラーによって用いられた語。怨恨。遺恨。

被支配者あるいは弱者が、支配者や強者への憎悪やねたみを内心にため込んでいること。この心理のうえに成り立つのが愛とか同情といった奴隷道徳であるという。怨恨。

「善悪」とは弱者の「妬み」から生まれたもの †

 従来、伝統的な倫理が善行を勧めるとき、神が大きな役割を果たしていた。人を助けるのは「善い」ことだが、それを損得と無関係に行うのは死後、天国に行きたいからだ。現実世界の外にいて、善を根拠づけるのが神だった。

 ところがニーチェは、人が「善悪」という言い方をする真の原因は現実世界の力関係にあると言う。強大な民族が平和に暮らしていた弱小民族を襲い、征服したとしよう。勝者は敗者の財宝や婦女を奪い、去っていく。残された人々は、相手に害も及ぼしていない自分たちを襲い、悲惨な目に会わせた相手を悪の権化として呪うだろう。それに比べ、罪なき自分たちは善である。

 「善悪」はこうして、カでは相手にかなわない弱者がせめて「道徳的」には優位に立って、相手を見下そうとする心理、「妬み(ルサンチマン)」から発生する。同じことは「正義」「節制」「勤勉」「清貧」などあらゆる道徳的価値に言える。肉食獣に襲われた草食獣が円陣を組んで抵抗するように、弱者が強者から身を守ろうとする「蓄群本能(ちくぐんほんのう)」から生まれたのが、ローマ帝国の奴隷にまず普及した「奴隷道徳」としてのキリスト教である。

(ドイツ) Sklavenmoral

奴隷道徳 †

ニーチェの用語。強者・支配者に対する怨恨(ルサンチマン)から成立する弱者の道徳。キリスト教道徳がその典型であり、偉大な者への怖れと不信、弱者への同情、狡猾な卑下と反抗などを特徴とするという。

(ドイツ) Herrenmoral

君主道徳 †

ニーチェの主張した貴族・支配者の道徳。世俗の善悪の観念や怨恨・心弱さを克己して、生命と権力の充実のままに生きる強者の道徳。

神は死んだ †

そのようにして発生した「善悪」にもっともらしい体裁を与えるため捏造されたのが「神」である。善悪の発生メカニズムが明らかになった以上、神はもう必要ない。こうして「紳は死んだ」とニーチェは宣告するのである。






2007-03-10 (土) 21:36:12 (4518d)