lame duck レームダック/レイムダック
中央日報 噴水台2006.07.06
米国の黒人解放指導者・マルコムエックス(Malcom X)の本来の名前はマルコム・リトルだ。 家族が白人に殺害された後、強盗の罪で収監され、イスラム教に入信する際、元の姓を捨てた。 白人の奴隷所有者が勝手につけた姓、との理由だ。 Xは失われた黒人の姓を象徴する。
Xの元祖はドレッド・スコット夫婦だ。奴隷制の廃止をめぐる議論を全国に拡散させた訴訟(1846〜57)を起こした黒人奴隷である。文を読んだり書けないそれらは署名をXで表記した。
「黒人は米国の市民ではない。したがって、連邦政府や裁判所からいかなる保護も受ける資格がない。 連邦議会には、連邦に属した各州に、奴隷制を禁止するよう強いる権限もない」。米連邦裁判所史上、最も恥じるべき判決だ。 ここで米国の第15代大統領、ブキャナン氏が大きな役割を果たした。 奴隷制に賛成する最高裁判事を任命し、最高裁判事らに棄却を注文した。
ブキャナン氏は奴隷制が正しくない、と考えていた。 それなのに、連邦を維持するために奴隷制に反対する騒乱事態を防ぎ、逃亡奴隷取締法を導入した。 武器庫まで襲われ、全国が騒じょうで沸き立ち、経済恐慌がやってきても無策のままだった。 再選放棄を宣言し「レームダック」の語源となった「任期末期の権力喪失現象」まで自ら招いた。
1860年11月、リンカーン氏が後任大統領に当選された後、南部の7州が連邦を脱退したが、ブキャナン氏は非難ばかり吐き出した。 全ての負担をリンカーンになすり付けて退任した。 そのため1933年、大統領の退任日を3月から1月に繰り上げるようになる。 「レームダック修正条項」(憲法20条)だ。