Washington consensus ワシントンコンセンサス
市場における自由な競争とそれを支えるアメリカ型経済制度が他国の制度よりも優れているという理解に基づいて、1990年代に入ってからアメリカ政府やIMFが他国に対してアメリカ型経済改革を迫るケースが目立つようになった。アメリカ政府とIMFはともにワシントンにあるため、他国に対するこのような要求の内容ないしは働きかけをワシントン・コンセンサスと呼んでいる。
しかし、国内の法制度や経済慣行が米整備の状態でワシントン・コンセンサスを受け入れた体制移行直後のロシアや通貨危機後の韓国では、経済がかえって大混乱に陥った。ロシアの場合には、体力の衰えた患者には強すぎる治療法にたとえてそれをショック療法と呼び、韓国の場合には危機後の不況深化をIMFの要求通りに政策や制度を変更したためだという意味からIMF不況と呼んだ。
このようなアメリカ型制度の導入が、その国の長期的な経済効率を高めるかどうかについては、議論が分かれている。