愛国無罪

「愛国無罪」についてのメモ。愛国無罪とは…
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愛国無罪 †

  • 「国を愛していれば、罪にならない」という意味。
  • この言葉は1930年代、中国を支配していた日本に対して闘い、逮捕された活動家らの弁護に使われた歴史がある。
  • 1989年の民主化運動「天安門事件」でも、デモ隊が「李鵬(当時の首相)打倒! 愛国無罪!」と叫んだ。首相打倒の目的は愛国だから、デモの邪魔をするなという意味。




早い話が:愛国無罪はええじゃないか=金子秀敏
毎日新聞 2005年4月14日 東京夕刊

 北京の反日デモは、ほんとはデモではなくミニ版の暴動だった、と思う。なぜなら、群衆が機動隊に向かって「愛国無罪」と叫んでいたからだ。

 「愛国無罪」とは「われわれが暴れるのは愛国の心情からだ。官憲は邪魔立てするな」という叫びだ。天安門事件でも五四運動でも叫ばれた。

 シュプレヒコールというより、呪文だ。これが始まると、居並ぶ機動隊が金縛りにあったように動けなくなり、群衆の天下になる。取り締まりの警官は「学生さん、ご苦労さま」と、おべっかを使ったという。

 中国外務省が、警備のミスを認めず責任を日本に押し付けているのは、背中に地鳴りのような「愛国無罪!」の声を感じるのだろう。中国の責任を認めたら「売国奴」コールで吹き飛ばされる。

 日本大使館に向かって石を投げる男女の表情がみな明るかった。日本の幕末の「ええじゃないか」を思わせる。高揚した群衆が「愛国無罪、愛国無罪」と叫ぶ。「石を投げてもええじゃないか。愛国だからええじゃないか」と聞こえる。

 中国の若者に反日感情が強いのは、愛国主義教育のせいだという意見がある。

 阿南惟茂(あなみこれしげ)・駐中国大使も「愛国主義教育が、若者に反日感情をもたらしている」と、中国側に苦言を呈したそうだ。

 鳥居民氏の「『反日』で生きのびる中国」(草思社刊)の影響が大きいのだろう。鳥居氏は、愛国主義教育とは、日本人への憎悪を植え付けて中国共産党に対する人民の不満をそらそうとした江沢民・前国家主席の陰謀だと見る。

 たしかに、中国各地には愛国教育基地があり、日本軍の残虐行為の展示をしている。でも、上から言われたことをはいはいと聞くほど従順な中国人民ではない。もし、反日感情が江沢民氏によって操作されたものであるなら、再操作もできる。だが、もっとその根は深いのではないだろうか。

 群衆の叫んだ「愛国無罪」は、愛国主義とは似て非なるものだ。愛国を叫びながら、目の前の国家権力に牙をむく。中国政府が反日運動を愛国主義教育の成果と思うと間違うだろう。

 あと3年後に北京五輪がやってくるが、いまにも火がつきそうに中国の民心は乾いている。反日騒動はもっと大きな騒ぎの導火線だ。






2008-06-09 (月) 07:40:43 (4203d)