官僚制

「官僚制」についてのメモ。官僚制とは…
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官僚制 †

官僚任用 †

きわめて多義的な概念で一義的定義を下すことはむずかしいが,この概念を最初に提出したのは18世紀のフランスの重農主義者J.ド・グルネであるといわれている。彼は君主制,貴族制,民主制などのギリシア以来の古典的政治形態分類法に新しく官僚制を政治範型としてつけ加えた。すなわち事務机(官吏の働く場所)を意味するbureauに支配の意味をもつ接尾辞cracyを加えてbureaucracyという語をつくり,官庁または官吏による支配を言い表わすようになった。その後19世紀を通じてドイツをはじめヨーロッパ各国にこの概念は広く浸透し,多くの議論を生み出した。それはおよそ3つの考え方に分けることができる。(1)イギリスのJ.ミルは,ド・グルネの考え方を引継ぎ官僚制を代議制と並ぶおもな政治形態と考えた。(2)K.ハインツェンのようなドイツの行政理論家は,ドイツ政治制度の特殊形態,合議制と独任制の問題に注目した。(3)V.モールらは日常会話で使われている官僚主義という意味で官僚制を使った。このような官僚制概念のなかに含まれているさまざまな要素を結合し,同時に独自の理論的枠組みのもとに集大成したのは,M.ウェーバーである。この意味で,今日彼の官僚制理論は古典的地位を得ているといえる。ところで,ウェーバー理論において重要な地位を占めているのは,合理的官僚制の概念である。これは目的の実現に対し計算可能な機能をもつ構造と考えられた。したがって官僚制の特徴として,明確な規則による職務の配分,階統的構造,文書による職務の処理,公私の分離,専門の資格,貨幣による給与,昇進経路の明確化などをあげることができる。このような特徴をもつ官僚制は技術的に最も卓越した組織形態であり,正確性,恒常性,規律,厳格性,信頼性をもっていた。なお,ウェーバーは官僚支配Beamtenherrschaftという用語を使ってドイツにおける官僚政治の問題を鋭く批判した。ウェーバーの合理的官僚制概念に対しては,アメリカの社会学者を中心として,その合理性を疑問視する見解が今日数多く提出されている。マルクスの場合,官僚制はこの概念の本来の意味,つまり特権的官吏による支配という意味で使われ,19世紀的伝統に属しているが,それが階級国家論のなかに位置づけられているところに特徴がある。そして未来の共産主義社会において,階級は消滅し,当然官僚制は止揚されると考えられている。しかし現実の社会主義国家においては,今日もなお官僚制は克服されておらず独自の重要な問題点となっている。






2007-03-10 (土) 21:37:59 (3929d)