環境

「環境」についてのメモ。環境とは…
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環境問題

自然の一部として生存している人間が,その過剰な営みによって環境に許容量を超える負荷を与え,逆に生存を脅かされている状態をさす。一般的には生活環境に関わるさまざまな*公害や特定地域の自然破壊から,生態系の破壊および地球全体の気象の変化まで含む問題として存在する。今日の地球環境問題は産業革命以降の化石燃料と鉱物資源に依存した大量生産方式によって発生した産業公害の延長線上にあるが,1950年代以降の人類史上未曾有の経済発展と人口増などにより,オゾン層の破壊,地球温暖化,酸性雨,熱帯雨林の減少,砂漠化,野生生物種の減少,海洋汚染等の地球規模の環境問題が顕在化し,人類を含む地球生物種の生存に重大な問題を投げかけている。

広くは生物を取り巻いている外界に発生する、生物にとって有害な現象一般をいう。狭義には、人類の活動が人類を取り巻く環境あるいは自然総体に対して各種の干渉を行い、悪影響を生じさせる現象を取り上げていう。
 今日の文明は、自然に対して人類が絶え間なく挑戦を試みた結果築かれたには違いない。しかし、人類の力があまりにも巨大化して、自然がこれを包摂できなくなったときには、自然の平衡状態が崩壊に瀕{ひん}することになる。地球としての系は、大小各種各様のサブシステムが相互に絡み合いながら、これらを統合して成り立っている。これが、人類の力の拡大につれて、あたかも自然に対立する人間独自の系が構築されたかのようになった。しかも、人類が工業を産業の中核に据え、化石燃料の利用により大量のエネルギーを駆使して機械文明を確立するようになると、この力によって自然を収奪して資源を浪費するばかりか、大量の汚染物質を生成して自然界にまき散らすようになった。
 これが、人類自らの生命・健康に直接間接の災厄をもたらすようになり、人類の系を内部から崩し始め、さらには人類の系の存立基盤である地球としての系―自然までも危機に導くおそれを生じさせた。このような事態は18世紀の産業革命から進行し始めた。とりわけ、第二次世界大戦のあと、発達した軍事科学の成果を取り入れた技術革新により、石油化学工業を中心にした重化学工業が、世界的に拡大飛躍を遂げるようになると、問題が一挙に深刻になった。この時期に入ると、エネルギーの消費量や自然からの収奪は幾桁{けた}にも増加したばかりか、大量の未知物質が次々につくりだされて、自然を根底から揺り動かすようになった。こうして、かつては人類が無限に依存できると信じられていた地球が、小さな宇宙船に例えられるまでになった。

地球環境

◆気候変動に関する政府間パネル(IPCC)(Intergovernmental Panel on Climate Change)

国連環境計画と世界気象機関が共催し、各国政府が参加する会合。1988年11月に初会合。温暖化のメカニズム、温暖化の環境や社会経済への影響および温暖化対策のあり方についての知見の整理がテーマ。「第3次報告書」(2001年4月)は、地表の平均気温が1861年以降、0・6±0・2℃上昇したとし、このまま温暖化が進むと2100年の平均気温は1990年より1・4〜5・8℃上昇する可能性があると警告した。
◆地球環境ファシリティ(GEF)(Global Environment Facility)〔地球環境〕
途上国で行われる事業のうち、地球環境保全に役立つものに対し、資金の贈与または低利の融資を行うために1991年に設けられた。世界銀行、国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)が管理している。98年3月には、98年7月から4年間の活動のための資金を27・5億ドルとすることが合意された。
◆G8環境大臣会合〔地球環境〕
G8の環境大臣が国際社会が直面する環境問題について意見交換を行うとともに、サミット(首脳会合)に環境面から貢献することを目的に、1992年以来サミットに先立ち開催。会合の成果は、議長国の環境大臣から首脳へ報告され、サミットでの議論に反映される。
▲わが国の取組み〔地球環境〕
◆環境基本法(Basic Environment Law)〔地球環境〕
公害対策基本法、自然環境保全法に代わるわが国の環境政策の基本的方向を示す新たな基本法として、1993(平成5)年11月に成立、施行。
◆環境基本計画(the Basic Environment Plan)〔地球環境〕
環境基本法第15条に基づき、環境保全施策の総合的かつ計画的な推進を図るために、施策の基本的方向等について定めたもの。1994(平成6)年12月閣議決定。
2000年12月に改訂された第2次環境基本計画は、副題を「環境の世紀への道しるべ」とし、環境の現状と環境政策の課題、21世紀初頭における環境政策の展開の方向、各種環境保全施策の具体的な展開、計画の効果的実施の4部で構成。環境保全施策の具体的な展開では、地球温暖化対策、物質循環の確保と循環型社会の形成、環境への負荷の少ない交通、環境保全上健全な水循環の確保、化学物質対策、生物多様性の保全、環境教育・環境学習等を、重点的に取り組む11の戦略的プログラムとして、位置づけた。
◆地球環境基金(Japan Fund for Global Environment)〔地球環境〕
環境関係民間団体(環境NGO)が内外で地球環境保全に役立つ事業を行うことを、政策として資金面を中心に支援する仕組み。1993(平成5)年5月に設置された。2003年度は、218件(約7億4000万円)の助成を決定。わが国の環境NGOの財政基盤は弱く、その活動も欧米先進国の例と比較するとまだまだ不十分で、基金の充実が期待されている。
◆地球温暖化防止行動計画(Action Program to Arrest Global Warming)〔地球環境〕
1990(平成2)年10月に政府が、総合的な地球温暖化防止対策を進めるために決定した行動計画。地球温暖化防止のための目的とともに、各種の対策を整序し、国際的にも日本の基本的取組み姿勢を明らかにした。
◆地球温暖化対策推進大綱(Outline for Promotion of Efforts to Prevent Global Warning)〔地球環境〕
温室効果ガス排出量の6%削減を約束した京都議定書(→別項)を受けて、1998(平成10)年6月に緊急に推進すべき地球温暖化対策をまとめた。2002年3月には、根本的な見直しを実施。京都議定書の削減目標達成に向けた具体的な裏付けのある対策の全体像を明確化し、個々の対策についてのわが国全体における導入目標量、排出削減見込量、および対策を推進する施策を盛り込んだ。
◆特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(Law concerning the Protection of the Ozone Layer through the Control of Specified Substances and Other Measures)〔地球環境〕
日本としてオゾン層保護対策を進めるための法律。1988(昭和63)年5月成立。国際的に協力してオゾン層を保護するためウィーン条約やその議定書を的確かつ円滑に実施するための生産規制や排出抑制等の措置などを規定。フロンの生産者は年度ごとにその製造量に関し許可を受ける必要がある。フロンの使用事業者は国の定める指針に従い排出の抑制や使用の合理化に努めなければならない。議定書の改定を受けて、順次、法律改正が行われている。
◆特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律〔地球環境〕
「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」(→別項)により、フロン類の生産量および消費量は削減されたものの、フロン類を使用している機器の廃棄にともなうフロン類の回収・破壊については大きな課題として残されていた。
このため、2001(平成13)年に本法律が制定され、特定製品(業務用冷凍空調機器およびカーエアコン)の廃棄時における適正な回収、および破壊処理の実施等が、義務づけられることとなった。
◆海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律〔地球環境〕
船舶、海洋施設および航空機から海洋への油、有害液体物質や廃棄物の排出を規制。廃油の適正処理を確保するため、廃油処理事業等についても定めた。海洋汚染防止関連の国際条約の実行を担保する国内法としての役割を有する。
◆南極地域の環境の保護に関する法律〔地球環境〕
環境保護に関する南極条約議定書(→別項)の国内措置。1997(平成9)年制定。原則として南極地域で行われるすべての活動について、事前の計画申請を義務づけた。
◆絶滅のおそれのある種の保存に関する法律〔地球環境〕
1993(平成5)年4月施行。絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関し、国内希少野生動植物種等を定め、捕獲・所持・流通等の規制、 生息地等の保護のための規制および保護増殖のための事業の実施などを規定。同希少種としてトキ、シマフクロウ、イリオモテヤマネコ等を指定。
◆特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律〔地球環境〕
1993(平成5)年に施行されたバーゼル条約(→「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」)対応国内法。「特定有害廃棄物等」(有価物も対象)の輸出入に関し、マニフェスト(移動書類)の携帯義務等を定めた。輸出入に際しては、経済産業大臣の承認が必要。輸出承認については、環境大臣が輸入国および通過国に事前通告し、それらの国の同意を得ることが前提。輸入については、承認後環境大臣が輸出国に対して同意を行った後に輸入できる。
◆エコアジア(Environmental Congress for Asia and the Pacific)〔地球環境〕
アジア太平洋域内諸国の環境担当大臣、国際機関の代表者等による意見交換を通じ、域内各国政府の長期的な環境保全の取組みを推進し、同地域の持続可能な開発の実現に資することが目的。2001年の第10回会議では、アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED the Asia-Pacific Forum for Environmentand Development)が設立された。
◆日中韓3カ国環境大臣会合〔地球環境〕
日本、中国、韓国の3カ国の環境大臣が一堂に会し、北東アジア地域や地球規模の環境問題について意見交換を行い、協力関係を強化することを目的に、1999(平成11)年より毎年開催。この会合の下、環境教育、環境産業などの協力プロジェクトが進められている。
◆北西太平洋地域海行動計画〔地球環境〕
1994(平成6)年、日本、中国、韓国およびロシアにより採択。日本海および黄海を中心とする北西太平洋地域における地域海計画。海洋環境モニタリング計画の作成や海洋汚染に対する地域協力などを進めることとした。
◆東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)(Acid Deposition Monitoring Network in East Asia)〔地球環境〕
東アジア地域において、参加国が共通の手法を用いて酸性雨のモニタリング(湿性沈着、乾性沈着、土壌・植生、陸水)を行い、得られたデータをネットワークセンター(酸性雨研究センター・新潟)に集積し、解析、評価および提供を行う。事務局として国連環境計画が指定され、東アジア12カ国が参加している。1993(平成5)年の環境庁のよびかけが発端。
◆環境管理・監査(environmental management and audit)〔地球環境〕
企業が自らの環境保全の取組みの効果と成果を自主的に評価し、その結果に基づいて新しい目標に取り組んでいこうという自立的なシステム。環境方針の策定とそれに基づく目標の設定、目標達成のための計画の策定およびその達成度の評価を一連のものとして行う。1970年代から欧米企業で実施例がみられ、96年、国際標準化機構(ISO)により、国際規格である「ISO14000シリーズ」が制定された。
◆環境税(environmental taxes)〔地球環境〕
環境汚染物質の排出を削減する等、環境に直接、間接に悪影響をあたえる経済活動を抑制するねらいをもつ多様な税の総称。長所には、市場の活力を活用するので効率的(同じ環境改善効果をねらううえで費用が最小)であることが挙げられるが、短所は、最適な税率の設定が難しいこと、金銭さえ払えば環境を汚してもよいと受け取られて、他の人たちから倫理的な反発をよびかねないことである。
小規模ではあるが、北欧諸国やオランダなどでは二酸化炭素の排出量に応じて課税する炭素税(→別項)が導入されてきており、OECDも環境税の導入にあたってのさまざまな問題点への対応策を示唆するとともに、環境税の導入を強く勧める内容の報告書を2002(平成14)年1月に公表した。わが国では、排気ガス、燃費に関して性能の良い自動車について自動車税を軽くし、悪い自動車について重くする措置(自動車税のグリーン化)を行っている。また、自治体でも三重県において、産業廃棄物税を導入しているほか、杉並区では、買い物などの際に譲り受けるレジ袋に対して課税する条例を成立させている(未施行)など、実例が出てきている。
◆炭素税(carbon tax)〔地球環境〕
環境税のひとつ。主として地球温暖化対策の観点から、化石燃料中の炭素含有量に応じて税を課すことで、二酸化炭素の排出を抑制しようとするもの。1990年1月、フィンランドが世界で初めて炭素税を導入すると、スウェーデン、ノールウェー、デンマーク、オランダなどを中心に導入が続いた。また、90年代後半にはいり、気候変動枠組条約京都議定書において先進各国に対する温室効果ガス削減目標が決定されたこと等を受け、EU主要国であるドイツ、イタリア、イギリスにおいて、CO(2)排出抑制を目的とする税(厳密には炭素税ではないものも含まれる)が導入された。
わが国では、中央環境審議会の専門委員会が国民による議論のたたき台として、温暖化対策税制の具体的な制度の案を2003(平成15)年8月にとりまとめており、環境省が意見募集を行っている。なお、同省のアンケート調査結果では、導入賛成派が反対派を上回っており、市民レベルでの理解は深まってきている。
◆環境会計(Environmental Accounting)〔地球環境〕
企業等が、環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的に測定し伝達する仕組み。環境保全に要したコストとその効果を評価して効率的かつ効果的な環境保全への取組みを促す機能や、環境会計情報を環境報告書を通じて公表することにより、利害関係者の意思決定に影響をあたえる機能がある。環境省から、「環境会計ガイドライン2002年版」「環境会計ガイドブック2002年版」および「環境保全コスト分類の手引き2003年版」が公表されている。
◆環境白書(Quality of the Environment of Japan)〔地球環境〕
環境基本法第12条に基づき、環境省等が執筆し閣議決定後、国会に報告される「環境の状況等に関する年次報告」および「講じようとする環境の保全に関する施策」の通称。白書ではそのときどきの主要な課題を取り上げて環境問題を分析するとともに、新たな環境政策についても記述して、行政の実状を広く公表、国民の理解の向上を図ることが期待されている。
●キーワード〔地球環境〕
●OECD環境保全成果審査(OECD Environmental Performance Review)〔地球環境〕
OECD(organization for Cooperationand Development)は、先進国間の経済・社会分野における国際協力機関。2003(平成15)年現在わが国を含む30カ国が加盟。最高意思決定機関は、理事会であり、毎年1回閣僚理事会を開催。
環境保全成果審査は、OECD環境政策委員会・環境保全成果ワーキングパーティーにおいて、OECD加盟各国が、環境政策の取組み状況について相互に審査を行うもの。2回めとなるわが国への審査については、02年1月、「審査報告書」が承認された。同報告書の結論部では、1990年代におけるわが国の環境行政の進展が大いに評価されたうえで、経済的手法や費用効果分析等の横断的事項に関する不十分さの指摘や大気、水、廃棄物、自然、化学物質、温暖化対策等の個別分野での課題が指摘された。
●地球温暖化対策推進法(改正法)/政府の実行計画〔地球環境〕
地球温暖化の防止を目的とするわが国初めての法制度。京都議定書によりわが国に温室効果ガス排出量の6%削減目標が定められたことを受け、今後の地球温暖化対策の土台となる法律として環境庁(現環境省)から1998(平成10)年に国会に提出された。温室効果ガスの排出抑制のため、国、地方公共団体、事業者、国民の役割を明らかにし、大規模な事業者等に対して排出抑制計画の策定やその実施状況の公表を求めた。環境省では、同法の実効性をさらに高めるため、(1)京都議定書目標達成計画の策定、(2)地球温暖化対策推進本部の設置、(3)温室効果ガスの排出の抑制等のための施策、(4)森林整備等による温室効果ガスの吸収源対策の推進、(5)京都メカニズムの活用のための国内制度のあり方の検討等を内容とする同法改正案を提出し、2002年5月、国会で可決成立した。
02年7月には、同改正法に基づき、政府の実行計画が策定された。06年度までの期間を対象に政府がその事務および事業に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のために実行すべき措置を定めたもので、温室効果ガスの総排出量を01年比で7%削減する等の数値目標が含まれている。
●遺伝子組み換え生物の規制による生物多様性の確保に関する法律〔地球環境〕
国際的に協力して、生物の多様性の確保を図るため、遺伝子組み換え生物等の使用等の規制に関して講ずる措置を定めた。環境大臣等の主務大臣は、遺伝子組み換え生物等の使用等について、基本的事項を公表。環境中への拡散を防止しないで行う使用等(第1種使用等)や環境中への拡散を防止しつつ行う使用等(第2種使用等)に関する手続き、輸入する生物の検査、情報の提供、輸出に関する手続きを定めた。
●アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)(Asia-Pacific Network for Global Change Research)〔地球環境〕
地球環境研究を支援する政府レベルの取組みとして、南北アメリカ、欧州・アフリカ、アジア太平洋の3大地域ごとに設置された組織のひとつ。わが国では、1999(平成11)年、神戸にAPNセンターが開設された。






2007-03-10 (土) 21:38:01 (3933d)