関税同盟と単一市場

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現代ヨーロッパ経済 > 第2章 関税同盟と単一市場

関税同盟と単一市場 †

・1950年代末〜60年代に関税同盟を形成し、85年〜92年まで市場統合を推進し、93年初めに域内税関が取り払われ単一市場がスタート

1.EEC関税同盟
『スパーク報告』…生産技術部門において対米格差が大きいことを指摘。その理由はECSC各国の市場障壁が高く規模の経済を活用できないことにあるとした。
・西欧の一国市場の市場規模が小さいため、アメリカ最先端の工場はフル稼働できない。
・フランス、ベルギーは植民地独立によって市場問題に直面
→近隣市場の重要性が高まったが、関税が最大の貿易障壁となる。

●関税同盟(^萋盍慇任料看儉対外共通関税の設定)の形成
・アメリカの技術を導入し、設備投資→労働生産性上昇→実質賃金上昇→消費上昇と飽和→次の段階の設備投資→ …という好循環を生み出した。
・関税同盟は域内競争と域内貿易を促進し、関税同盟は成功をおさめた。

■関税同盟の効果

  • 貿易創出効果
    • 関税同盟の結成によって、従来、関税障壁が存在したためにコストの高い自国で生産していた商品が、コストの低い他の域内国から輸入されることにより、域内国間の貿易量が拡大すること。
  • 貿易転換効果
    • 関税同盟の結成前には諸外国から低コスト品が輸入されていたものが、関税が撤廃されることによって、域内国からの高コスト品の輸入に置き換わってしまうこと。

2.市場統合 †

●単一市場⇒「財、サービス、資本、人が自由に移動する、内部に国境のない地域」(単一欧州議定書)

・経済障壁(関税障壁と非関税障壁)を全廃することによって実現。
・関税障壁は国境を通過する商品への課税を止めるだけでいいが、非関税障壁の全廃は、財だけでなく、サービス、資本、人の自由移動の障害をすべて撤廃しなければならない。⇒国内の法律や制度の改変が不可欠。

非関税障壁を(理的障壁、技術的障壁、税障壁(財政的障壁)に分類し、それぞれにふさわしい方法で撤廃する。

  • 「単一市場」に向かわせた要因
    • 内因:EU経済の長期停滞。それを克服するためには経済障壁を撤廃して広範な分野で国際寡占競争を展開する必要があった。
    • 外因:1980年代からの経済自由化とグローバリゼーションへの世界経済の転換。
  • 市場統合の効果
    1. 直接的利益/短期的配分効果
    2. 間接的利益/累積効果
    3. 立地効果

3.単一市場の法と新しい統合方式 †

単一欧州議定書…理事会の特定加重多数決制を市場統合関連法令に適用。
1985年〜92年までに282のEC法令の採択実施が必要であり、従来の全会一致制では実現不可能なため。

「経済的連邦主義」…市場統合のEU指令は必要不可欠の中核部分だけを最低限定め(「最低限の調和」)、それを超える部分は構成国の法律や規定を他の国が承認する(「相互承認」)。

4.スタートした単一市場 †

■財の単一市場
・財市場を分裂させていた非関税障壁
公共調達…中央政府、地方政府、公益企業による財・サービスの調達。
技術的障壁…工業規格や認証制度の違い

■サービスの単一市場
・サービスの自由移動
.機璽咼皇鷆ー臑里外国で自由にサービスを提供できる
▲機璽咼皇鷆,里燭畍朕佑よび企業は子会社、支店、代理店、その他の施設をEUいずれの国でも設立できる。

 市場統合は、金融サービス、運輸、新技術関連サービスという3つの領域で自由化を進め、単一市場の形成をめざした。
 1996年時点の成果は、いずれの部門でも「効果的に障壁を除去」がかなり多く、効果もでている。しかし、税障壁の直接税関係、広告サービスへの障壁などは残存。

■資本と人の自由移動
・ マーストリヒト条約…1994年以降、構成国間・構成国と第三国間のすべての資本移動規制を禁止。
・人の自由移動…1985年のシェンゲン協定、90年の追加協定

■ むすび
市場統合の成功によって国民経済形成型統合への評価が高まり、「One Market , One Money」がスローガンニなりえた。通貨統合が現実の課題として受け入れられたのは単一市場の成功があってこそ。






2008-05-27 (火) 11:15:50 (3554d)