new spatial economics
- 都市や産業の集積形成をミクロ経済学的に分析、従来、 都市経済学・地域経済学・国際経済学 として別途発達してきた地理的空間の経済学を総合しようとする学問。
- 藤田昌久(京都大教授)、クルーグマン、ベナブルズ(LSE教授)が「The Spatial Economy」を出版し、学界をリードしている。
新しい空間経済学:基本的な考え方 †
- 都市や産業の集積力の発生メカニズムには、前方連関効果と後方連関効果の相互作用がある。
- 前方連関効果
- ある都市に産業の集積が発生し、より多様な消費財の供給が行われると、消費者の多様性への選好によって実質所得の上昇が見られ、その結果ますます多くの消費者がその都市に集積することである。
- 後方連関効果
- 多くの労働者が都市に集積すると、規模の経済性が作用し、より多くの企業立地を促し、さらに多様な消費財の供給が進むことである。つまり、個々の企業レベルにおける規模の経済性が、循環的連関効果を通じて、都市レベルでの収穫逓増に転換され、集積力を生む。
藤田昌久,A.J.ベナブルズ,P.クルーグマン共著,小出博之訳『空間経済学』(00年,東洋経済新報社)