景気循環論

「景気循環論」についてのメモ。景気循環論とは…
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景気循環論 †

  • 景気循環は,市場での需給調整過程から生まれてくることは明らかであるが,そのプロセスをどのように説明すべきであろうか。
    3種の循環的変動が,在庫投資,設備投資,建設投資の動きと密接な関係をもっていることからもうかがわれるように,投資の動きが循環的変動の中で重要な役割を果たす。そこで現代の景気循環理論は,投資の変動の全経済に与える波及効果を説明する投資乗数の考え方を前提にして,投資の動きをどのように説明するかにより,いろいろのタイプのものに分かれている。

景気循環理論は,体系の時間を通じての変動を示す定差方程式や微分方程式で表されることが多い。そして,大別して線形モデルと非線形モデルに分かれる。投資乗数と,加速度原理,すなわち所得ないし産出量の増加が投資を誘発する関係の二つを結合して得られる乗数・加速度モデルは,線形モデルとして示される場合が多い。その代表が P. A. サミュエルソンのモデルである。また L. A. メツラーの在庫循環のモデルもこの型のものである。この場合,循環的変動が,時間とともに発散するか,同一運動(単弦振動)を繰り返すか,あるいは減衰してついには消滅するかのいずれかとなる。発散の運動は現実にはみられないし,同一運動の繰返しは,体系がきわめて偶然的な状況にある場合しか生まれない。減衰する場合には,体系のいろいろの不規則な衝撃が加わるとすると,景気循環の永続を説明することができる。E. スルーツキーや T. ホーベルモの研究がそれである。

しかしながら,景気循環の説明が不規則衝撃に依存してなされるということは,それがなお自己完結的ではないことを意味している。この欠陥を取り除くためには,体系を非線形化する必要がある。乗数・加速度モデルで発散解の場合をとりながら,完全雇用の天井と成長する独立投資の底をおくことにより体系を非線形化して景気循環を説明したのは J. R. ヒックスである。

他方,アメリカの経済学者グッドウィン R. M. Goodwin は,実際の資本量が最適資本量より小さいか,等しいか,あるいは大きいかによって,投資の大きさが変化するとし,加速度関係を非線形化して,循環的変動とともに成長の現れる理論を構築した。

それより前に,N. カルドアは,投資と実質産出額との関係,および貯蓄と実質産出額との関係が,それぞれ直線で表されるのでなく,非線形であるとし,この前提に資本蓄積の投資に及ぼす効果を考慮して循環的変動を説明するモデルを考えた。 






2007-03-10 (土) 21:39:07 (4212d)