経済のグローバル化

「経済のグローバル化」についてのメモ。経済のグローバル化とは…
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グローバルな競争の激化と雇用問題 †

  • 経済のグローバル化にともなって、日本の産業が激しい世界的な競争にさらされている。メーカーは安い材料・部品を全世界的な規模で購入し、さらに、製造の拠点を、低コストの国、あるいは製品輸出先に移転しており、これは、大企業のみでなく、中小企業にも及んでいる。産業空洞化のこの傾向は、円レートの多少の変動があっても変わりそうもないといわれる。空洞化による、雇用の縮小は、労働生活に深刻な影響を及ぼすと予想され、労働力の供給の減少により、長期的には労働力不足となるという、最近までの楽観的見通しを影のうすいものとした。その可能性はないわけではないが、さしあたりは、失業問題を深刻化しないで済むかどうかが、ひとびとの関心事となってきた。

失業は、先進国共通の課題である。失業率10%を超える国々もある。日本の失業率も、過去に比べ、もっと高いレベルにある。グローバルな競争で不利な地位にある先進国は、日本の競争力の強かった過去においてもそうであったが、貿易相手国が不公正な労働基準により競争力を強めているのではないか、警戒する。ソーシャルダンピング論である。今日では、WTOの形成のとき以来、なんらかの形で国際労働基準と貿易取引を結びつける公正なルールを形成しようとする根強い動きがある。これについては、発展途上国側から強い反対があり、また、保護貿易に道を開くとの批判もある。

一方、先進国の失業に関して、二つの国内政策の方向があると指摘されている。

  1. アメリカに代表される規制緩和
    • 規制緩和を労働分野を含めて徹底し、自由な市場の機能に依存して、雇用を拡大し、失業率を低める行き方である。この国でも雇用差別をめぐる規制は厳格であるが、その他の点では労働市場の自由度が高い。しかし、所得など格差が拡大するといったマイナス面がある。
  2. 対照的なのが、イギリス以外のEU諸国や、北欧
    • 労働者・国民の社会的保護が手厚い。解雇からの保障もあるが、他方、雇用に対して企業は慎重である。高率の失業がマイナス面である。第三の道は存在するのかが話題となった。
  • 日本は、第三の道をたどれるのか。高度成長につづき、一部産業の強い競争力、雇用慣行などで低い失業率を保ってきたが、EU並みの社会的保護をもたない一方、労働関連の規制緩和を求める声も高い。雇用問題に関連して、どのような選択をするのか、大きな国民的、国民経済的な課題である。





2008-05-23 (金) 09:15:40 (3262d)