古代の政治思想

「古代の政治思想」についてのメモ。古代の政治思想とは…
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古代ギリシャとポリス †

 民主主義(デモクラシー)という用語は,古代ギリシャ語の「デモクラティア」(Demokratia)に由来し,「人民の支配」の意味をもつ。古代ギリシャのポリスは小規模な都市国家であり,市民の参加によって直接民主政が行われ,人々は政策決定のみならず執行にも携わっていた。
 ポリスは,市民的生活を唯一可能とする倫理的共同体であった。

プラトン †

 プラトンは,哲人ソクラテスの刑死に直面し,正義の実現をその政治哲学の課題とした。代表作『国家−正義について−』において,政治の、目的は正義の実現であり,市民一人一人の素質に見合った教育を行い,各人の能力を正しく調和させて,共同体の幸福に資することにあるとした。そして,最良の理想国家として描かれたのは,「善のイデア」という究極目標を追求する哲人王によって統治される国家であった。

 彼は,王政−貴族政−民主政−僣主政という流れで政治体制の堕落過程を描き出したことからもわかるように,アテネの衆愚政治を批判的にとらえていた。 しかし,晩年には次善の策としての「法律による支配」(法治国家)を強調するようになる。
 プラトンの描く国家は,基本的には三つの異なった階級からなり,そ れぞれの階級がそれぞれの徳を守りつつ全休としての調和を保っているところにおいて正しい国家が実現できるとした。

  1. 統治者階級〜理性的部分〜知恵
  2. 戦士階級〜気概的部分〜勇気
  3. 生産者階級〜欲望的部分〜欲望

しかし,この三階級は,世襲的・固定的階級ではない。

アリストテレス †

 アリストテレスは帥であるプラトンの政治思想である至高の善、イデアを批判的に受け継いだ。彼によれば,ポリスは人間の幸福を可能とする精神的共同体であり,ポリスの目的は人間の倫理的卓越性の実現や人間としての完成にあるとした。そして,『政治学』において「最善のボリスとは何か」を追求し,「人間は生まれながらにして政治的(ポリス的)動物である」と述べた。人間にとっての最高善とは幸福に生きることであり,その学や術が「政治」であった。政治学を「諸学の王」と位置づけたのは彼である。

プラトンとアリストテレスによる政体 †

 プラトンとアリストテレスは,ともに理想的な政体を考えている。そこで述べられた正しい国政とは次のようにまとめられる。

支配する人間正しい国制崩れた国制
一入王制僭主制
少数貴族制寡頭政
多数ポリテイア民主政(衆愚政)

 正しい国制とは,支配者と被治者がともに実力に応じた配分を受けることで利益を享受することができる政体であり,崩れた政体は唯一の階級による利益の独占が目標とされることに立脚しているものである。この時代は支配を悪とする考え方はしておらず,支配者としてふさわしい人物がそれを行うというのが自然であるうえ,有益で正しいこととされているため,現代の支配とは達った見方がなされていたといえる。






2007-03-10 (土) 21:39:43 (3911d)