公的扶助

「公的扶助」についてのメモ。公的扶助とは…
HOME > 公的扶助

public assistance

公的扶助 †

生活困窮者に対し、国または地方公共団体が最低限度の生活を保障するために経済的援助を行う制度。
生活困窮者に最低限の文化的生活を保障するために、国が経済的援助を行う制度。

生活扶助

公的扶助 †

生活に困窮して今日の暮らしもままならない人を無償で救うしくみである公的扶助方式は,人類の歴史と同じくらい古い。国家は,昔からさまざまなかたちでこのような扶助を行ってきた。日本でも大宝律令にそのような救済規定がある。

しかしこの種の扶助は,近代以前においては,地域社会や,教会やお寺の慈善活動,あるいはギルドのような社会集団によって担われることが多かった。その伝統は今日のボランティアに通じる。この種の扶助を国家が肩代わりしていくことが福祉国家への第一歩であった,と考えることもできよう。

近代以降の国家による扶助 †

その古典的な形態として知られるのが,1601年にイギリスにおいて導入されたエリザベス救貧法である。
そこでは,貧困は基本的には怠惰や不注意など本人の責任と考えられた。そこで,就労能力のある者は強制的に作業に従事させ,働く能力のない者についてのみ最低限の救済がなされたのである。この費用は,裕福な人々から救貧税として徴収された。そこには,人道的考慮だけでなく,放置すれば社会的混乱の種となる貧民を国家が管理し,治安という公共財を提供しようという意図も含まれていた。国家が富裕者にただ乗りを許さず,強制的に慈善行為を行わせたといってもいいだろう。それは,社会諸集団の中から近代国家が自立し排他的な権力を握ろうとする動きの一部でもあった。

 その後,公的扶助は貧民管理的,慈善事業的色彩を徐々に薄める。公的扶助は基本的人権に基づく当然の権利として生活に困窮した国民が請求できるものである,という考え方が出てくるここの考え方は,イギリスでチャーチル率いる戦時挙国一致内閣の委託を受け,ベヴァリッジが1942年に発表した報告書において完成される。そこでは,全国民に最低限度の生活を権利として保障することが明記された。ただし,公的扶助の給付条件は生活の困第であり,その条件に妥当するかをチェックする資力や所得の調査が,通常課せられることになる。

 日本では,生活保護の制度がこれにあたる。疾病などで収入の道もなく,資産も持っておらず,頼れる親族もなく,明日からの暮らしに困るという場合には,国は生活保護法に基づく各種扶助を行う。






2007-03-10 (土) 21:40:06 (3880d)