構造主義的マルクス主義

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構造主義的マルクス主義 †

 アルチュセールが『マルクスのために』と『資本論を読む』(いずれも1965年)において提唱したマルクス主義の立場。彼は,経済決定論,ヘーゲル主義,実存主義といったこれまでマルクス研究がもちこんだ様々な爽雑物を取り去って,マルクスのテキストをそのテキストそのものの「構造」にしたがって読むことを提案する。この読解によって明らかになるのは.初期マルクスの思想が人間中心主義と歴史主義であり,破の疎外論が形而上学的なイデオロギーであったことである。だがマルクスは『認識論的切断』によってこれを乗り越えて、後期思想においては経済的構造の科学的認識を確率することができた。
 マルクスは社会と歴史を,経済・政治・イデオロギーという多様なレベルの構造がそれぞれ関係しあうような全体として、つまり「重層的決定」のシステムとして捉えることがでさたのである。

重層的決定 †

 重層的決定とは、出来事や矛盾が、異質な複数の決定要因が融合したり越境したりすることによって、そしてさらに主要なものと副次的なものという階層序列を持つことによって、形成されるという考え方。

 ヘーゲルは、すべてを取り込んでゆく絶対精神によって人間のあり方や社会、歴史などすべてを説明しようとした。それに対し、アルチュセールは、歴史や社会におけるすべての現象にただ一つの本質や原因が現れるというヘーゲル的発想法を否定した。

 フランス革命は商工業の芽生え、たまたまその頃に起きた飢饉、国王の外交的失敗、印刷技術の普及による政治的プロパガンダの急速な浸透…など、下部構造上部構造にいたるさまざまなレベルにおいて複数の矛盾から生じた。

 革命には複数の要因がある。逆に一つの事件が複数の効果を生む。社会は複数の構造をまとめあげて一つの構造にしたものであるため、社会の中で生ずる出来事を単一の原因や目的によって説明することはできず、常に複数の構造によって規定されている。

 このようなあり方をアルチュセールは「重層的決定」と呼んだ。

アルチュセール構造主義が明らかにしたもの †

  1. 社会関係を構成する諸要素に対する全体(関係、構造)の優位性を提起した。
  2. 社会諸関係は相対的に自律した諸水準によって接合され、それらによって重層的に決定されるものであると明らかにした。





2007-03-10 (土) 21:40:16 (4265d)