国家論

「国家論」についてのメモ。国家論とは…
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国家論の研究例

国家論における「国家」とは、アメリカの研究においては,行政官僚制あるいは大統領を指すことが多い。議会は社会として,これらに対比される。

  • 国家としての行政官僚制
    • アメリカの政治学者ヘクロは『イギリスとスウェーデンにおける現代社会保障政治』において,二つの国における雇用保険および老齢年金の発展のプロセスを追跡し,国家が政策決定を自律的に行っていることを示そうとした。そこで強調されているのは,社会問題を分析し,それを解決するための選択肢を考案する官僚たちの,社会から自律した,知的な活動である(Heclo,1974)。ヘクロは行政官僚制を国家ととらえ,それが社会にあるさまざまな利益手段の圧力活動から自律して政策決定をしていると主張した。
       スコッチポルは,ニューディール期の農業政策は,農業団体からの圧力活動からではなく,農務省の官僚からの専門的知識の中から生まれたものであると主張した。スコッチポルらは,農務省を国家ととらえ、社会から自律して政策を形成したという。
  • 国家としての大統領

クラズナーは,『国益の擁護』においてアメリカの対外資源政策を分析し,企業の短期的な利害関心ではなく,国家の長期的な利害関心が政策を決めていると主張。「アメリカの対外政策において,中心的な国家アクターは大統領と国務大臣であり,最も重要な制度はホワイトハウスと国務省である。これらの役職および機関は,個々の社会的な圧力からはっきりと隔離されていること,そして国家の一般的利益を促進する責任を公式・非公式に負わされていることに,特徴がある」。

クラズナーは,突き詰めれば大統領を国家ととらえ、大統領は企業からのさまざまな要求から自由に自律的に「国益」を追求している,と主張したのである。
 このように国家論とは,政府を構成する公的アクターを「国家」と呼び,それがあるときには社会からの圧力や要求に抗して,あるときには社会からの圧力の有無にかかわらず,自律的に政策目標を定め,それを実施していくことを強調する理論である。こうした主張が1980年代に華々しく登場し,「国家論の復権」といわれた。






2007-03-10 (土) 21:40:39 (3816d)