国際化とグローバル化

「国際化とグローバル化」についてのメモ。国際化とグローバル化とは…
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比較政治経済学

国際化とグローバル化 †

  • ハースト&トンプソンは、経済の国際化とグローバル化を区別する。
  • 国際化
    • 経済の開放性は増すものの,主要な経済単位は国内的なものにとどまり,国際的な経済活動は国内的なそれの延長としてとらえられる。たとえば,多国籍企業は明らかに国籍をもつ。
  • グローバル化
    • 国民経済が国際経済システムの中に包み込まれ,区別された独立の単位であることをやめる。生産は,超国家的な企業による世界的なものとなり,したがって企業は国籍を消失し,一国の政府がこれを規制することはできなくなる。

 経済の国際化は歴史的に循環的なものであり,可逆的であるが,グローバル化は全く新しい不可逆的な現象であり,国民国家の自律性を損なう。

 ハースト&トンプソンは,

  • 貿易や国外直接投資といった経済活動の比率が,第一次世界大戦前の国際化の時期と比べてとりわけ高まったとはいえないこと
  • 経済交流がヨーロッパ,北米,日本という三角形において重点的に起こっていること
  • 企業は無国籍化しておらず,依然として本国での経済活動が中心であること

などを指摘し,今日起こっている現象がなお国際化のレベルにとどまっていると主張する。つまり,戦前の国際化と今日の「グローバル化」との間に質的な差異はないという。

 ハースト&トンプソンのねらいは,歴史上いまだかつて存在したことのない妖怪のような資本が世界市場を席巻し,その前で国家は全く無力であるかのように唱えるグローバル化論を批判して,グローバル化を歴史的文脈の中でとらえ返すこと,そして国家および国際機関による資本移動の統制管理の可能性および必要性を説くことにあった。

 とはいえ、今日の現象を、国際化と呼ぼうとグローバル化と呼ぼうとも、19世紀的な自由主義段階と同一視することはできない。金融市場・情報技術の発展によって、かつては考えられなかったような大量の資本が短期間に移動することが可能になった。かつての資本移動が国外直接投資や長期安定的なポートフォリオ投資に限定されていたのに対して、1980年代以降の金融市場の発展は短期的投資に負うことも大きく、それはグローバルな通貨危機をもたらした。






2007-03-10 (土) 21:40:42 (4148d)