国際資本移動

「国際資本移動」についてのメモ。国際資本移動とは…
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国際資本移動 †

  • 国際収支統計の中の資本取引に該当する部分を指す。
  • 1980年代から1990年代にかけて国際約な資本取引が著しく活発化したといわれる。背景には世界最大の経済規模をもつ米国において,経常収支が赤字化したことがあったと考えられる。
  • 従来、米国も含め先進国間での収支はほぼ均衡していた。また一部発展途上国の赤字は,公的資金や銀行融資によってファイナンスされ,市場動向によって資金の流れが決定される純粋な民間資金の国際的な流動性が促進されるような環境にはなかった。
  • しかし米国の赤字化,及び赤字幅の拡大に伴い,国際資本取引拡大の必要性が飛躍的に高まった。しかも米国は世界でも最も発達した資本市場を有し,日本などの黒字国からの還流資金が,国債を始めとする種々の資本市場商品へと投下される時代となったのである。
  • しかもこのような国際的な資産選択行動が,各々の資産によって得られる収益率を基準として決定されるようになった結果,投資資金が世界中を駆け巡るような状況が生み出されている。
  • 90年代前半には米国よりも欧州市場が選好されたが,後半に入り再度米国への資金流入が活発となり,経常収支赤字を上回る規模での資本収支黒字が記録されるようになっている。
  • 他方で日本は黒字還流の必要性から,対外債券投資や銀行貸し付けを強化してきたが,銀行の不良債権問題深刻化から,最近では銀行の国際的な与信活動は縮小気味。

国際資本移動の形態 †

  • 民間の国際資本移動の形態
  • 短期資本移動としては、外国短期証券への投資、外国金融市場における銀行引受手形の買入れ、コール・ローン、外国為替(かわせ)手形の買入れ、外国輸入商への短期信用の供与、外国銀行への預金、外国貨幣の保蔵などがある。
  • 長期資本移動としては、投資者が直接外国で営業を行う場合の直接投資と、外国会社の株式・公社債の売買という証券投資(これを間接投資ともいう)とがある。
  • 直接投資と間接投資が本質的に異なる点は、まず第一に、直接投資は経営の支配を伴うのに対して、間接投資は支配を伴わないことである。支配というのは、株式を所有するという法律的意味と、経営上の意思決定――すなわち、投資家が海外経営に関し最高人事、研究開発、新製品の発売、配当などに関する決定権――を握るという二つの意味をもつ。第二は、直接投資は間接投資と異なって、投資企業の生産技術、販売技術などの経営資源を国際的に移動させ、これを利用して企業活動を行うことをかならず伴っていることである。
  • 公的国際資本(政府投資)の増大
  • 第二次世界大戦後の国際資本移動の顕著な現象として公的資本移動(政府投資)の増大があげられる。それは、国際収支が困難に陥っている国の救済、プラント・船舶類の貿易のように巨額な支払いを要するものの延払いのための信用供与、発展途上国のための開発援助のような、民間資本では満たしにくい目的のために公的資本の移動が要求されるからである。
  • 公的資本移動は、各国政府間で直接取引される2国間の公的援助と、国際復興開発銀行(世界銀行)、国際開発協会(第二世銀)などのような国際機関、アフリカ開発銀行、米州開発銀行、アジア開発銀行などのような地域的開発機関を経由する場合とがある。

国際資本移動の誘因 †

  • 民間資本移動
    • 短期資本の場合には、為替相場・利子率の国際的不均衡、あるいは変動の見込みに対応して移動するものと、資本の価値の安全を図り危険を回避するために行われる資本逃避とがある。これらはいずれも投資家が主体的に資本を移動させるものであるから自発的資本移動といわれ、これに対し、国際収支のほかの項目、たとえば長期資本移動や貿易に伴って行われる短期資本移動を誘発的資本移動という。
    • 長期資本の場合には、国際間の利潤率・利子率の差により、低利潤・低利子率国から高利潤・高利子率国へと移動する。直接投資の場合にも、資源や労働力、あるいは市場を確保しやすく、経営資源がより高い利潤をあげうる国へ移動するのである。同じ工業国間でも、その経営資源は異なるから、工業国間相互の国際資本移動もおこりうる。
  • 公的資本移動
    • 国際機関を中心とする国際協力を進めるためのもの、外交上、政治上の要因に基づくもの、輸出促進や原料確保など経済政策の一環として行われるもの、などがある。





2007-03-10 (土) 21:40:46 (4547d)