ある国が外国と行う経済取引を体系的にまとめたもの。この場合の経済取引には貨幣の支払いがともなわないものも含まれる。
モノやサービスの取引の流れをあらわす「経常収支」と、外国への直接投資や証券投資などによる資産と負債の変化をあらわす「資本収支」に大別される。
国際収支の項目にはさらに、外貨準備高の増減と誤差脱漏が含まれている。国際収支は複式簿記の原理を使って作成されているため、すべての収支項目の合計はゼロとなる。したがって…
経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0
また、外貨準備に増減がなく、統計上の誤差もなければ…
経常収支+資本収支=0
となる。したがって、経常収支が黒字(赤字)ならば、資本収支は赤字(黒字)になる。
■日本の場合
経常収支は黒字(財・サービスの輸出超過)、資本収支は赤字(資金の純流出)…つまり、輸出で稼いだ金額を外国に貸し出している。
■多くの発展途上国の場合
経常収支は赤字(財・サービスの輸入超過)、資本収支は黒字(資金の純流入)…つまり、外国から資金を借り入れて、輸入代金を賄っている。