天皇統治の正当性と日本国の優秀性を論証しようとした議論。
近世後期の対外的危機意識の高まりの中で,日本固有の国家の形態について水戸学や国学によって主張された。
君主たる天皇を中心とし,祭政一致の国家形態を理想とする。
近代においては
明治初年には天皇の天照大神からの直系性,君臣不易の伝統,王土王民論などが強調されたが,明治憲法制定時には<シラス>と表現される天皇の公平無私の統治と万世一系性が強調され,日清・日露戦後には皇室を宗家,国民を分家とみなす家族国家論がナショナリズムと結合して主流となり,15年戦争期には天皇=現人神(あらひとがみ),国民=赤子(せきし)が強調された。