産業革命

「産業革命」についてのメモ。産業革命とは…
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industrial revolution

産業革命 †

  • 動力機械の発明と応用が生産技術に画期的な変革をもたらし、工場を手工業的形態から機械制大工場へ発展させ、その結果社会・経済のあらゆる面に生じた変革と発展の総過程。
  • 18世紀半ば頃、イギリスに最も早く起こり、19世紀前半には欧米諸国へ波及した。
  • 日本では、19世紀末から20世紀初頭にかけて、日清・日露戦争の間に遂行された。
  • 機械設備をもつ大工場が成立し、大量生産が可能となり、社会構造が根本的に変化して、近代資本主義経済が確立したが、その過程で人口の都市への集中、小生産者・職人層の没落を伴った。

産業革命と資本主義の確立 †

18世紀〜19世紀にかけて、大陸でフランス革命とそれに続くナポレオン戦争が進行していた頃、イギリスでは産業革命が進行。

  • イギリスで最も早く産業革命が開花した条件
    1. 早くからギルド制や農村の共同体規制が取り払われていた、18世紀の植民地争奪戦に勝利して資本の本源的蓄積が行われていた。
      • イギリスでは16世紀後半には既に、産業資本家によりマニュファクテュア(工場制手工業)が成立。道具を機械にかえれば、産業革命である。資本の側からの産業革命の準備は、18世紀後半には完了していた。
    2. 労働力の蓄積。
      • イギリスでは、牧羊地拡大のための第一次囲い込み(16世紀)や穀物生産のための第二次囲い込み(18世紀)などの農業革命を通じて、自営農民が没落し、農業労働者(小作人)や都市に流入して工業労働者になったからである。第三の条件は、機械による大量生産に見合う市場の存在である。イギリスは、既に海上帝国を成立させていたので、この海外市場の需要に対応するには、大量生産を可能にする機械の採用が必要であった。

イギリス産業革命は、木綿工業から開始。J.ケイによる飛び梭の発明以降の木綿工業の急速な発展は、関連の部門の発展を促した。製鉄業、石炭業の発展で鉄と石炭は工業の基礎として不動の地位を確立。ワットの改良を契機とした蒸気機関の実用化は、生産力の急上昇と工業都市の立地条件を緩和する。また、機械による大量生産は、鉄道、蒸気船などの運輸交通機関の改良(交通革命)をもたらした。1830年には、マンチェスターと輸出入港リヴァプール間に商業鉄道が開通し、1840年代以降イギリス全土に鉄道網が拡大。イギリスは、世界最大の工業国となり、「世界の工場」と呼ばれるようになった。

産業革命の進行は、社会の各所に影響を及ぼしていった。工業都市の出現は、環境破壊を生み出しただけでなく人口の都市集中化とそれにもとづく社会の変化をイギリスにもたらした。審査律の廃止(1828年)、カトリック教徒解放令(1829年)に始まるイギリスの自由主義的改革は、産業革命による産業資本家の地位向上と七月革命などの影響とによってもたらされた。台頭してきた産業資本家の選挙権要求は、第一回選挙法改正(1832年)を生み出した。
産業資本家は、労働者の低賃金を確保するために、安い穀物の豊富な供給を期待して、地主保護の「穀物法」の廃止を要求。コブデン、ブライトらを中心に反穀物法同盟が結成され、1846年「穀物法」は廃止される。この「穀物法」の廃止は「航海条令」の廃止(1849年)とともにイギリス自由貿易政策の実現にとって重要なステップであった。

  • 労働者も、労働組合運動を本格化させ、チャーチスト運動(1836-48)で、男子普通選挙を要求。
    • 第1回選挙法改正では腐敗選挙区(人口減にもかかわらず従来のままの議員定数をもち有力者の意のままになった選挙区)は廃止されたものの、労働者には選挙権が与えられなかった。
  • その後、トーリー党は保守党、ホイッグ党は自由党となり二大政党として交互に政権を担当する議会制度が確立。
    1867年の第二回選挙法改正で、都市の労働者は選挙権を獲得するが、農業労働者は、1884年の第三回選挙法改正(自由党グラドストン内閣下で実施)まで得たねばならなかった。資本家の搾取に苦しむ労働者の労働条件改善をめざしたロバート=オーエンやサン=シモンらの空想的社会主義者の失敗を受けて、科学的社会主義者マルクス、エンゲルスらは、1848年「共産党宣言」を出し、社会主義実現を訴えたが、イギリスでは、マルクスの予言したような深刻な階級対立はおこらなかった。
    政府の側からも工場法の制定(1833年)、労働法の制定(1847年)などの労働政策がおこなわれていたし、なによりも「世界の工場」となったイギリスの資本主義の余力が、労働者にも恩恵を与えていた。

イギリスに続いてフランスやドイツでも産業革命が始まった。

フランス・ドイツの産業革命 †

  • フランスでは、七月革命以降産業革命が始まる。
  • ドイツでは、シュタイン、ハルデンベルクのプロシア改革が不徹底であったため、ユンカーの封建的農業経営が残存し、工業の発展は遅れたが関税同盟の成立(1834年)以降、鉄道建設を中心に急速に産業革命を推進していった。
  • ロシアは、1861年の農奴解放令以後工業化が始まったが、資本主義はあまり発展しなかった。
  • アメリカは、南北戦争(1860年代)の頃
  • 日本は、日清戦争後(1890年代)軽工業が始まり、日露戦争の頃(1900年代)に重工業化が進み、それぞれ産業革命を達成。





2008-05-22 (木) 10:19:27 (3227d)