止揚

「止揚」についてのメモ。止揚とは…
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(ドイツ) aufheben アウフヘーベン/揚棄 もともと「拾いあげる」の意の動詞。

止揚 †

ヘーゲル弁証法の根本概念。あるものをそのものとしては否定するが、契機として保存し、より高い段階で生かすこと。矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること。

ドイツ語のアウフヘーベンaufhebenの訳語で、ヘーゲルが哲学用語とした。「揚棄(ようき)」とも訳す。否定、保存、高揚という三義を含む。たとえば青年マルクスは「神の〈止揚〉としての無神論は理論的な人間主義の生成である」というが、ここでは、神を「否定」する、神という形式における人間の本質を「保存」する、神中心主義という人間性の否定を、人間中心主義に「高揚」するの意である。これはまた人間の本質(神)と現実存在とを「統一」することにもなる。「肯定」と「否定」を「限定」へ、「ポロス(豊富)」と「ペニア(欠乏)」を「エロス(愛)」へ止揚し、統一するとき、肯定と否定、「ポロス」と「ペニア」という初めの対立項は、「限定」や「エロス」といった、より高次の総合概念の「契機」となる。個人は国家の契機であり、国家はより普遍的で、かつより具体的なもの、具体的普遍である。直接的、抽象的なものが具体的普遍に「止揚」される。

日本大百科






2007-03-10 (土) 21:41:36 (5068d)