時効

「時効」についてのメモ。時効とは…
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時効制度 †

 所有者らしい事実状態や債権関係がなさそうな事実状態がかなりの期間継続すれば、その者に所有権があり、その者たちの間には債権関係はなさそうだと推断することができる。時効は、更に一歩を進め、そうした事実状態に即応し、その開始時にさかのぼって権利の取得や消滅を認める制度である。
 つまり、時効には、権利の取得時効と消滅時効があるわけだが、時効による権利の取得や消滅を認めるためには、一定の事実状態が中断・停止(一四七条〜一六一条・一六四条・一六五条)といった障害事由なしに一定期間継続しなければならない(一六二条・一六三条・一六六条〜一七四条の二)。この要件が満たされた(時効の完成)としても、時効の利益を受けるかどうかは当事者の自治・選択にゆだねられ、その援用がなければ、裁判所は時効による裁判をすることはできない(一四五条・一四六条)。

時効の目的 時効の存在理由 †

  1. 長いこと所有者のつもりで平穏・公然に動産や不動産を占有してきたところ、古い証拠を盾に自分こそその物の所有者だから返せといわれたり、古い債権証書や帳簿などを盾に突然債務の履行を求められたりしたとして、売買契約・受取証書その他所有権の取得や債権消滅の証拠があればよいが、長い間には証書は散逸し証人もいなくなってしまうことが多い。つまり、占有者に所有権があり、債権主張者に債権がない確率が高く、時効制度の目的の一つは、このように証拠がないために不利益を強いられることがないようにする点にある。
  2. 仮に、古い証拠の持主に主張どおりの権利があるとしても、これをそのまま認めると、先の占有者が目的物を他に売り担保に入れ賃貸したりした場合を想起すれば明らかなように、これらの権利関係も覆えされてしまい、影響するところが大きすぎる。
  3. のみならず、長い間権利の上に眠っていた者は、法の保護に値しない。

2>が時効制度の一次的理由として説かれてきたが、近ごろでは、<1>こそ時効制度の支柱で、権利がなく義務のあることがはっきりしていれば履行すべきで、時効を援用するのは望ましくないと説くものが増えてきている。

  • 参照:図解による法律用語辞典





2008-03-02 (日) 10:10:27 (4589d)