進化論の基盤をなす発想で、自然がその環境に望ましい個体を残し,劣った個体を省くようにはたらくメカニズムを指す。かつては「自然淘汰」とも訳された。
自然選択がなぜ起きるのかといえば,一つにはほとんどの生物が実際に生存できるよりも多い数の子を生むからであり,もう一つには同じ種の個体のなかにも環境により適した個体と適応という点で劣った個体とが存在するからである。
このような意味で,多産であるがゆえに個体間の生存競争が不可欠なものとなり,この闘争において有利な変異をもった個体なり品種なりが生存して子をなしていくことで,新しい種が出現する土台が築かれるとダーウィンは考えた。