生産と配分の手段・方法を、社会の成員全体で共有することによって社会を運営していくしくみと、そのしくみをささえる人間観などを構想する思想。資本主義経済における階級的不平等の克服を目的とし、その手段として生産手段の社会化を実現することを主張している。
社会民主主義が、経済的平等とともに政治的平等をも同時に追求するのに対して、社会主義は、経済的平等の実現を優先させる点に特徴が見出される。
18世紀中頃イギリスではじまった産業革命は,私有財産と自由な経済活動を基礎とする資本主義社会を生み出した。社会主義思想とは,資本主義社会を何らかの形で変革し,階級的差別や抑圧のない社会主義社会を建設しようとする思想。
資本主義に対する社会科学的考察に欠けていたため「空想的」とされた。
イギリスのオーエン,フランスのサン=シモン,フーリエら。
1)弁証法的唯物論と唯物史観
絶対精神の弁証法的運動とみたヘーゲルを批判し,マルクスは,世界は物質からなるとする唯物論の立場から弁証法的唯物論の立場を打ち立てた。また,歴史は物質を生み出す生産力の上昇によってもたらされる生産様式(下部構造・土台)の変化(社会革命)に由来するとする唯物史観(史的唯物論)を唱えた。ヘーゲルが重視した観念や精神は,下部構造の変化に応じて副次的生みだされる上部構造と位置づけられる。
2)階級闘争と社会主義革命
マルクスによれば,すべての歴史は階級闘争の歴史であり,資本主義の崩壊に並行して資本家と労働者との対立が激化することによって,社会主義革命が勃発し,社会主義社会が成立するとした。
『資本論』
資本主義が崩壊するメカニズムを解明。社会主義思想のなかでもっとも重要な文献である。