社会進化論

「社会進化論」についてのメモ。社会進化論とは…
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社会進化論 †

  • ダーウィンの生物進化論という発想を社会のレベルにも適用して,社会も生物と同じように一定の方向に進化していくと考える理論全般を指す。
  • 19世紀後半にイギリスのスペンサーが提唱したのに端を発する。
    • スペンサーによれば,進化とは,物質が不確定的で非凝集的な同質的状態から確定的で凝集的な異質的状態へと移行していく過程にほかならない。この過程は,天体や地球のレベルから生命体や精神をそなえた有機体を経て,超有機体としての社会レベルにいたるまで等しく進行する普遍的なプロセスとみなされる。
  • さらに,社会の進化に関してスペンサーは,軍事型社会から産業型社会へという方向性を設定する。
    • 前者においては,個人はあくまで全体のために存在しており,当然ながら個人の自由は抑圧され,強制的協力が支配的となっている。
    • 後者においては逆に,社会はあくまでその成員である個人のために存在しており,相互に平等な個人の自由が市場取引に不可欠なものとして保障され,自発的協力がなりたっているとされる。

 このように社会レベルでの自然的で必然的な進化の方向性が存在すると考えたスペンサーは,近代資本主義社会を平等な自由の法則の実現形態として高く評価し,これに対する国家の干渉を断固として拒否するレッセフェール主義者として,イギリス産業主義を代表するイデオローグとなった。その際スペンサーは,個人間の自由な経済競争によってこそ最適な資本主義的経済が可能になると考えて,この個人間の自由競争を進化の原則としての適者生存による弱肉強食型の社会の条件とみなした。スペンサーがときとして社会ダーウィニズムの祖とも目されるのは,このような意味においてのことである。

  • しかし、文化人類学の研究が進むにつれて,社会の単線的進化という仮定が疑問視されるようになり,また第1次世界大戦や大恐慌の勃発は,社会進化を社会進歩と同一視する社会進化論の楽観的な発想を根底から揺るがすきっかけともなった。





2007-03-10 (土) 21:42:13 (3700d)