社会生物学

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sociobiology 行動生態学

社会生物学 †

生物の社会的行動および社会構造の進化を現代の遺伝学や生態学の知見を基盤にして解明しようとする研究分野。E = O =ウィルソンは生物社会の考察を人間社会にも適用しようとしたが、これに対しては批判も多い。

  • アメリカの昆虫学者エドワード・O. ウィルソンが『昆虫の社会』(1971年)で最初に提唱し,『社会生物学』(1975年)のなかで本格的に展開されることになった学問体系。
  • すでにネオ・ダーウィニズムにおいて,個々の生物以上に種の存続を重視する観点は打ちだされていたが,よりいっそう徹底化した思想。
  • 社会生物学のベースとなるのは,生物とはDNAがおのれをより多く残すための媒体にすぎないという発想である。あらゆる社会的行動を生物学的基礎から解明することを目指して,遺伝学や生態学,動物行動学などの知見を積極的に駆使した統一的な体系の確立をもくろんでいるのが,社会生物学という学問である。
  • その出発点は,いくつかの動物に見られる利他的行動(たとえば,自分では子孫を残さないはたらきバチの存在など)をどう説明するかという問題にあった。こうした行為はおのれの「適応度」(次世代におのれの遺伝子を残せる期待値)を減ずるものでしかないはずなのに,なぜそのような行動が自然選択によって消滅せずに残っているのか。
  • 社会生物学はこの問題を,個体レベルで考えるのではなく遺伝子コピーを共有するほかの血縁個体とのネットワークという観点から考察することによって,合理的な説明を与えた。
  • それ以上に社会生物学の新しさは,それが一切の文化現象をも生物学的観点から説明可能だと主張する点にある。階級や性的分業の存在を生物学的な必然性とみなし,同性愛や戦争といったきわめて人間的な現象にしてもある種の遺伝子によって可能だと考えられると社会生物学は言う。
  • それらすべての根底には,自然選択を通じての適応がはたらいているという社会生物学の主張には,資本主義体制や階級・人種・性差による差別の存在を遺伝学的に正当化する「生物学的決定論」にほかならないという非難も寄せらる。





2007-03-10 (土) 21:42:13 (3813d)