社会的存在

「社会的存在」についてのメモ。社会的存在とは…
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社会的存在 †

史的唯物論で、社会の経済的構造をなす生産関係の総体。これが土台であり、社会的意識を規定するものとされる。

史的唯物論で、社会意識がそれによって規定される、物質的・生産的諸関係の総体。

史的唯物論の用語では社会の経済的構造をなす生産関係の総体。これが社会の実在的な土台であって、社会意識を決定するものとみなされる。

弁証法的唯物論で、人々が相互に結ぶ物質的な社会関係の総体をいう。社会的意識がこれによって規定されるというのが弁証法的唯物論の基本的立場である。

[社会意識と社会的存在
社会意識というものが存立するのはなぜであろうか,つまり,社会集団の成員が共通の意識を共有する傾向をもつのはなぜであろうか。それは,同じ社会集団に属する人間は,そのことによって,類似した生活経験を共有する確率が高いからである。まず第1に,その社会集団の客観的な構造(階級構造,階層構造,組織構造など)によって,その成員の生活史は共通の刻印をうける。たとえば,原始共同体に生きるか,封建社会に生きるか,資本制社会に生きるか,によって,あるいは,巨大な官僚制の一つの歯車として生きるか否か,等々によって,生活経験は当然異なる。第2には,その社会集団の,より大きな社会集団の中に占める客観的な位置によって,その成員の生活史は特有の刻印をうける。たとえば,〈ホワイトカラー〉という社会層の現代産業社会の中での位置,〈中間管理職〉という社会層の官僚制組織の中での位置などによって,それぞれの成員の生活史は特有の刻印をうける。このように,社会意識を存立させる基盤としての,その社会集団の客観的な構造や位置を〈社会的存在〉とよぶ。社会意識が存立するのは,すなわち社会集団の成員が共通の意識をもつ傾向があるのは,彼らがこの社会的存在を共有しているからである。

[社会意識の規定要因
ある社会集団の社会意識は,具体的にはどのような要因によって規定されるのだろうか。基本的には,すでにみたように,その〈社会的存在〉によって規定されるが,副次的には,前の時代や他の社会集団の社会意識の伝達によっても影響されている。まず社会的存在による規定についてみると,社会意識はその社会集団の,(1)〈現在〉の状態の規定をうけるのみでなく,(2)〈過去〉からの歴史(上昇や没落,苦難の体験など)によって,また(3)〈未来〉への展望(保証や不安や閉塞や可能性など)によって複雑な規定をうける。またコミュニケーションによる他の社会意識の影響としては,(4)前代の社会意識の影響(伝統,文化遺産など)および,(5)他の社会集団の意識の影響(文化触変など)がある。現実の社会意識は,これらさまざまな方向からの規定性,影響力を,選択的に受容し,変形し,対応しつつ,みずからを刻々に形成し,展開していく。






2007-03-10 (土) 21:42:15 (4547d)